愛情 Day:2012.07.17 00:00 Cat:アイビー ブリッジポート編 サマンサ「どうしたの?」 アイビー「ごめんなさい。私、行かないと・・・。」 レイ「え?まだ早くない?」 サマンサ「例の彼?」 アイビー「・・・・うん。」 レイ「彼?」 サマンサ「行っておいで。私たちのことはいいから。」 アイビー「ごめんね。レイさんごめんなさい。」サマンサ「気をつけてね。」アイビー「うん。」 レイ「ちょ・・・アイビーちゃん・・・。」アイビーが立ち去る。サマンサ「だから言ったでしょ?あんたなんか眼中にないって。」レイ「男いんのかよ。」サマンサ「残念だったわね~。」レイ「・・・・お前さ、俺のことまだ好きなんだろ?」サマンサ「はぁ?なに言ってんの?」レイ「だから俺のこと邪魔してるんじゃないのか?」サマンサ「すっごい自惚れ。私にはもうすぐ素敵な王子様が現れるんです~。あんたなんか目じゃないんだから。」サマンサ「さ~ってもうちょっと踊ってこよ~っと♪」サマンサがフロアへ向かう。レイ「 (なんだよ王子様って・・・。乙女かよ。) 」ロミオ「よぉ。早かったな。」アイビー「うん・・・・。」ロミオ「すまない。こんな時間に・・・。」アイビー「ううん。私も・・・会いたかったから・・・。」ロミオ「寒くないか?コーヒーでいいか?」アイビー「うん・・・。」ロミオがコーヒーを入れている。アイビーはソファーへ腰掛けた。ロミオ「あいつらは?」アイビー「サムちゃんが・・・行っておいでって言ってくれて。」ロミオ「サムには話してるのか?」アイビー「ううん。名前は言ってない。」ロミオ「そうか・・・。」コーヒーをテーブルに置いてロミオが隣に座る。アイビー「・・・・。」ロミオ「話って、付き合ってないって言ったことか。」アイビー「・・・・うん。」ロミオ「お前、なにか勘違いしてないか?」アイビー「・・・・。」ロミオ「俺が付き合わないって言ったのは、別に他の女とも遊びたいって意味じゃないぞ。」アイビー「・・・じゃあどういう意味なの・・・?」ロミオ「話すと長くなるから・・・詳しいことは省くけどいいか?」アイビー「・・・・うん。」ロミオ「俺は孤児院の出身だ。両親はいない。」アイビー「・・・え?」ロミオ「赤ん坊の頃に孤児院の前に捨てられてたらしい。」アイビー「・・・・。」ロミオ「ミランダも同じ孤児院の出だ。だから俺たちは子供の頃から一緒だった。」アイビー「・・・・。」ロミオ「あいつの過去は芸能界や世間には隠している。孤児院のことを知ってるのは関係者の数人だけだ。」アイビー「そうだったんだ・・・?」ロミオ「俺とミランダは二人で孤児院を抜け出した。だから孤児院とのつながりも今はない。俺たちに家族はいない。」アイビー「・・・・。」ロミオ「俺は家族を作るつもりもない。」アイビー「・・・・。」ロミオ「お前と付き合って、もし俺の身になにかあったら、お前に責任が及ぶかもしれない。周りはそういう目でみるからな。」アイビー「・・・・。」ロミオ「誰かとつきあうってことは俺にとってはそういうことだ。お前に迷惑はかけられない。」アイビー「そんなのべつに・・・。」ロミオ「俺は一人で生きていくつもりだ。これからもな。」ロミオ「お前のことは好きだしそばにいたいと思ってる。」アイビー「・・・・。」ロミオ「べつに俺は他の女と遊ぶつもりもない。」アイビー「でも・・・・すごいモテてるし・・・。」ロミオ「あいつらは面白がって近寄ってきてるだけだ。」アイビー「・・・・。」ロミオ「お前がそばにいてくれれば誰ともデートはしない。元々そのつもりもないしな。」アイビー「・・・・。」ロミオ「ただ周りには俺たちのことを広めてほしくないんだ。」アイビー「・・・・。」ロミオ「お前は俺のことが好きか?」アイビー「・・・・好き。」ロミオ「ただそばにいるだけじゃダメか?」アイビー「・・・・。」ロミオ「別にセックスしたくないならそれでもいい。」アイビー「・・・・ひとつだけ、お願いがあるの。」ロミオ「なんだ?」アイビー「抱きしめてほしい。」ロミオ「・・・抱きしめるだけでいいのか?」アイビー「うん。」ソファーから立ち上がり、ロミオがアイビーの体を抱きしめる。アイビー「もっと強く・・・。」ロミオ「・・・・。」アイビー「もう一回言って・・・?好きって・・・。」ロミオ「・・・・好きだ。」アイビー「私も好き・・・・。」クリス「君のほうから呼び出すなんて、珍しいね。」ララ「・・・・。」クリス「話ってなんだい?」ララ「クリス、私に嘘をついてない?」クリス「嘘?嘘ってどんな?」ララ「私・・・知ってるのよ。」クリス「え・・・?」ララ「あなたに奥さんと子供がいるってこと。」クリス「ララ・・・・。」ララ「どうして嘘ついたの?」クリス「・・・・。」ララ「あなたのこと、信じてたのに。」クリス「どうして・・・君はそれを・・・・。」ララ「友達が教えてくれたの。」クリス「・・・・。」ララ「私、あなたの家に行ったわ。奥さんが子供を抱いて出てくるところも見た。そしてあなたも・・・。」クリス「・・・・。」ララ「あれはあなたの奥さんと子供なんでしょう?・・・本当のことを言って。」クリス「・・・・・ごめん。」ララの瞳から涙がこぼれた。ララ「どうして・・・嘘ついたの?」クリス「・・・・ごめんララ。」ララ「もう・・・終わりにしましょう。」ララが立ち上がる。クリス「ララ、聞いてくれ。」ララ「さよならクリス。」クリスが立ち上がり引き止める。クリス「待ってくれララ。」クリス「君をひと目みたときから僕は君に恋をしたんだ。」ララ「・・・・。」クリス「君を愛してるララ。」ララ「・・・・。」クリス「妻とは別れるつもりだ。」ララが泣き出した。ララ「私だって愛してたわ。」クリス「今はもう愛してないの?」ララ「愛してる・・・。だからどうすればいいのかわからないのよ。」クリス「ララ・・・。」クリスがララを抱きしめる。クリス「本当にごめんよララ。どうしても言い出せなかったんだ。」ララ「ううっ・・・。」クリス「妻とはあの子が生まれてからもう体の関係もないし、お互いに愛情もない。形だけの夫婦だ。」クリス「僕は離婚するつもりだ。きっと彼女もそれを受け入れるはずだ。」ララ「でも・・・そんなの子供がかわいそうだわ・・・。」クリス「あの子にとってもそのほうがいいんだ。両親が愛し合ってないのに、そんな家庭で育つほうがかわいそうだろう?」ララ「・・・・。」クリス「離婚したら君にプロポーズするつもりだった。」ララ「え・・・?」クリス「順番が逆になっちゃったけど・・・離婚が成立したら正式にプロポーズをしたいと思ってる。」ララ「ホントに・・・?」クリス「あぁ。僕は本気だよ。」クリス「だから待っててほしい。」ララ「・・・・。」クリス「僕は君だけを愛してる。」ララ「・・・・。」クリス「待っててくれるかい?」ララ「・・・・。」クリス「ララ・・・?」ララ「・・・・わかったわ。」クリス「本当かい?」ララ「えぇ・・・・。」クリス「ララ、愛してるよ。」クリスがララの体を抱き寄せ、キスする。 URL Comment(8)Trackback(0)Edit
迷い Day:2012.07.16 00:00 Cat:アイビー ブリッジポート編 ロミオが携帯を取り出した。番号を押す。アイビー『はい。』ロミオ「よぉ。」アイビー『・・・どうしたんですか?』ロミオ「今暇か?」アイビー『・・・・・・なんでですか?』ロミオ「暇ならこれから飲みに行かないかと思ったんだが。」アイビー『・・・今日は・・・やめときます。』ロミオ「・・・そうか。」アイビー『ごめんなさい・・・。』ロミオ「いや。急に電話して悪かったな。」アイビー『いいえ・・・。』ロミオ「じゃあ明日スタジオでな。」アイビー『はい。』電話を切る。ロミオ「・・・・。」 翌日。アイビー「よろしくお願いしま~す。」衣装に着替えたアイビーがスタジオに入ってくる。レイ「アイビーちゃん。」アイビー「レイさん。」レイ「久しぶり。」アイビー「お久しぶりです。今日は一緒の撮影ですか?」レイ「そうみたいだね。よろしくね。」アイビー「はい。よろしくお願いします。」ロミオ「はじめるぞ。」アイビー「はい。」レイ「はいは~い。」アイビー「よろしくお願いしま~す。」ロミオ「おう。」レイ「よろしく~。」スタジオにシャッター音が響く。アイビーとレイが見つめ合う。ロミオ「今日はこれで終わりだ。お疲れさん。」アイビー「ありがとうございました。」レイ「お疲れ~。」アイビー「お疲れ様でした~。」ロミオ「おう。お疲れ。」アイビーたちがスタジオを出て行く。廊下でアイビーを待っていたレイが声をかける。レイ「アイビーちゃん。」アイビー「レイさん。どうしたんですか?」レイ「このあと暇?飲みに行かない?」アイビー「飲みにですか?」レイ「あ、次の仕事残ってる?」アイビー「・・・・いえ。大丈夫です。」レイ「ホント?じゃあ、行く?」アイビー「はい。」レイ「じゃあ着替えたら下で待ってるね。」アイビー「はい。急いで行きますね。」レイ「うん。じゃああとでね。」アイビー「はい。」ロミオ「・・・・。」ロミオ「 (めんどくせぇな・・・・。) 」レイ「アイビーちゃん、ホントうまいね。」アイビー「そんなことないですよ~。」レイ「ホントだって。それに、近くでみるとホントかわいいな。」アイビー「レイさんってばw 持ち上げるのうまいですねw」レイ「ホントだよ。いつもかわいいな~って思ってたんだ。」アイビー「ありがとうございますw」レイ「アイビーちゃん、このあとうち来ない?」アイビー「え?」レイ「ふたりっきりになれる場所に行きたいな~ってさ。」レイ「ね?行こうよ。」アイビー「あ、サムちゃん。」レイ「え?」サマンサ「アイビーちゃ~ん。呼んでくれてありがと~。ちょうど暇してたんだよね!」アイビー「こちらこそ来てくれてありがと~。仕事じゃなかったの?」サマンサ「うん。今日は休みだったんだ~。家にいてもつまんなくってw」レイ「サムなんでいんの?」サマンサ「なにって呼ばれたから来たのよ?」アイビー「私が呼んだんです。人数多いほうが楽しいと思って。サムちゃんにも会いたかったし。」サマンサ「えへへ♪ 私も会いたかった~。」アイビー「踊ったらのど渇いちゃったな。なんか飲みません?」サマンサ「いいね~。飲む飲む!」アイビーがカウンターへ向かう。レイ「おい。なんで来るんだよ。」サマンサ「なによ。来たら悪いの?」レイ「悪いに決まってるだろ。お前ちょっとは気遣えよ。」サマンサ「はぁ?あんたこそ嫌がられてるの気付きなさいよね。」レイ「は?」サマンサ「悪いけど、アイビーちゃんはあんたみたいな男タイプじゃないみたいだから。」レイ「なんでお前がそんなこと知ってんだよ。」サマンサ「アイビーちゃんは私の友達なの。手出さないでよね。」レイ「邪魔するつもりかよ。」サマンサ「残念ながらアイビーちゃんはあんたのことなんて眼中にないわよ~。」サマンサ「私も飲も~っと♪」サマンサがカウンターへ向かう。レイ「 (くそっ・・・。サムのやつ・・・・。) 」サマンサ「Mens BiBiの新人、最近爽やか系かチャラいの多くない?」レイ「しょうがないだろ。そういうのが流行りなんだから。」サマンサ「もっとワイルド系とか入んないのかな~。私そういうのが好きなんだけどな。アイビーちゃんはどういう男がタイプ?」アイビーの電話が鳴る。アイビー「ごめんなさい。ちょっと出てくるね。」サマンサ「は~い。」アイビーが席を離れる。フロアの中は大音量で音楽が流れている。アイビーは入り口付近まで移動した。アイビー「はい。」ロミオ『よぉ。』アイビー「ロミオさん・・・。」ロミオ『レイと一緒か?』アイビー「・・・・はい。」ロミオ『大丈夫か?』アイビー「サムちゃんが来てくれたので・・・大丈夫です。』ロミオ『お前に会いたい。』アイビー「・・・・。」ロミオ『・・・・嫌か?』アイビー「・・・・私も・・・・ちゃんと話したい。」ロミオ『・・・どこの店だ。今から迎えに行く。』アイビー「ううん。私がそっちに行く。」ロミオ『・・・・わかった。気をつけて来いよ。』アイビー「うん・・・。」 URL Comment(10)Trackback(0)Edit