デート




 
 



ララとクリスは5回目のデートをしていた。
今夜はレストランのテラスで食事をしているようだ。












 



ララ「おいしかった~。」

クリス「だろ?ここは僕のお気に入りの店なんだ。」

ララ「眺めもいいし、とっても素敵なお店ね。」

クリス「君が気に入ってくれて嬉しいよ。」











 



クリス「ララ、今日は大事な話があるんだ。」

ララ「なあに?」

クリス「僕と正式におつきあいしてほしい。」

ララ「・・・・。」












 



クリス「僕は仕事人間だし、なかなか会えない日も多い。休日の一日デートは望めないと思う。でも君のことが好きだし大事にしたいと思ってるんだ。」

ララ「クリス・・・・。」

クリス「僕とつきあってくれないか?」

ララ「私ね・・・。」












 



ララ「実はいままで男性とお付き合いしたことがないの。」

クリス「それ、ホントかい?」

ララ「えぇ。」

クリス「そうだったんだね。」

ララ「だから・・・あなたがはじめての人になるわ。」












 



ララ「私でよければ、よろしくお願いします。」

クリス「ホントにいいのかい?」

ララ「えぇ。私も・・・・あなたが好き。」













 




クリス「嬉しいよ。今日・・・すごく緊張してたんだ。」

ララ「そうだったの?」

クリス「うん。君みたいな綺麗な人が僕と・・・信じられない。」

ララ「もう・・・。すぐおだてるんだから。」












 



クリス「ホントのことだよ。僕みたいな平凡なサラリーマン・・・。」

ララ「そんなことないわ。私にはとっても素敵に見えるもの。」

クリス「ありがとう。」

ララ「それにあなたはいつもとっても素敵な場所に連れて行ってくれる。」











 



クリス「この街のレストランは接待なんかで行きつくしているからね。おいしいお店は知ってる自信あるんだよ。」

ララ「そうなのね。」

クリス「最近また新しくできたバーがあるんだよ。今度そこに連れて行ってあげるよ。」












 





ララ「ふふっ。楽しみにしてるわね。」












 



ラトーシャとディーンはバーで呑んでいた。
ディーンの携帯が鳴り響く。


ディーン「ちょっとごめん。」

ラトーシャ「うん。」












 



ディーンが席を立ち、電話に出る。


ディーン「もしもし。どうしたの?・・・・うん。」












 



ラトーシャ「 (彼女、だよね・・・・。) 」













 




ディーン「今日はちょっと遅くなるから、先に寝てていいよ。・・・・うん、わかった。」












 



ディーンが席に戻る。


ディーン「ごめんな。」

ラトーシャ「うん。彼女?」

ディーン「うん。」

ラトーシャ「帰らなくて平気?」













 



ディーン「あぁ。大丈夫だよ。遅くなるって言ってあるし。」

ラトーシャ「そっか・・・。」

ディーン「それより、お前今日なんかおしゃれしてない?」

ラトーシャ「え?」












 



ディーン「わかった。デートだろ?」

ラトーシャ「・・・・まぁ、そんなとこかな。」

ディーン「へぇ~。お前も男できたんだ?」

ラトーシャ「できてないわよ。」











 



ディーン「じゃあ片思いのやつとか?」

ラトーシャ「そんな感じかな。」

ディーン「へぇ~。がんばれよ。」

ラトーシャ「うん。」












 



ラトーシャ「 (鈍感・・・・。) 」














 


ディーン「もう一杯呑む?」

ラトーシャ「うん。」











 













 



クリス「おなか一杯だな~。」

ララ「そうね。すごくおいしかったわ。」

クリス「また連れて行くよ。」

ララ「えぇ。」












 




ララ「次はいつ会える?」

クリス「明日から出張なんだ。来週には戻るから。こっちから連絡するよ。」

ララ「そうなの。気をつけてね。」

クリス「あぁ。お土産買ってくる。」

ララ「ふふっ。気を遣わなくていいのに。」












 
 


シェアハウスに到着した。
二人が車から降りる。


ララ「ありがとう。送ってくれて。」

クリス「うん。」












 
 


ララ「入ってコーヒーでも・・・って言いたいところだけど、私だけの家じゃないから。ごめんなさいね。」

クリス「いや。・・・・ホントはちょっと期待してたけどね。」

ララ「ふふっ。正直ね。」

クリス「下心がない男なんていないさw」

ララ「そうねw・・・出張気をつけていってらっしゃい。」

クリス「あぁ。」

ララ「おやすみなさい。」

クリス「おやすみ。」












 
 


ララがクリスに背を向けて玄関のほうへ歩き出す。


クリス「ララ。」











 
 


 振り向いたララを抱きしめてキスする。


ララ「 ! 」












 



クリスの熱い舌が絡まる。
ララもクリスの背中に腕をまわした。













 













 



ディーンが家にたどり着いたのはすでに2時を回るころだった。
リビングに入るとロビンがソファーに座っていた。


ロビン「おかえり。」

ディーン「ただいま。」










 



ディーン「まだ起きてたんだ?先に寝ててよかったのに。」

ロビン「眠れなくて。」

ディーン「ホットミルク飲む?」

ロビン「いらない。ディーンがいてくれれば眠れる。」

ディーン「すっかり抱き枕だなw」












 



ロビン「誰と一緒だったの?」

ディーン「ラトだよ。会ったことあるだろ。」

ロビン「一度だけね。」

ディーン「職場近いからな。大学のときはあんまり会ってなかったけど。」

ロビン「ふぅ~ん。」












 



ロビン「今度うちに連れてきてよ。」

ディーン「え?なんで??」

ロビン「ディーンがお世話になってるから招待したいの。料理も作るからさ。」

ディーン「料理なんてあんま作ったことないだろ?」

ロビン「作れるもん。作らないだけで。」












 



ディーン「なんで会いたいんだ?」

ロビン「浮気してなかったら連れてこられるはずでしょ?」

ディーン「浮気疑ってんの??」

ロビン「うん。」

ディーン「ないないw あいつとは幼馴染だしただの親友だってw」












 



ロビン「じゃあ連れてきてよ。ちゃんと紹介してほしいし。」

ディーン「・・・・いいけど、あいつの返事も聞かないと。」

ロビン「今度の土曜日ね。ちゃんと連れてきてよ。」












 



ディーン「うん。電話してみるよ・・・。」