決裂



 


ロミオの自宅。
アイビーはベッドに横たわっている。
ロミオがシャワーから出てきた。












 



アイビー「ねぇロミオさん・・・・。」

ロミオ「なんだ?」

アイビー「前の彼女って、何年前くらいに別れたの?」

ロミオ「俺に彼女はいない。」

アイビー「でも、そういう感じの女性もいたんでしょ?」

ロミオ「・・・・・マロンから聞いたんだろ。」

アイビー「え・・・・うん。」

ロミオ「お前俺たちのことも言ったのか?」












 
 


アイビー「言ってないよ。」

ロミオ「あんまりそういうの、周りに言うな。」

アイビー「ダメなの?」

ロミオ「好きじゃない。」

アイビー「・・・・私たちって、付き合ってるの?」

ロミオ「付き合ってない。」












 
 


アイビー「・・・・。」

ロミオ「不服か?」

アイビー「・・・・だって・・・・。」

ロミオ「そうやってお互いを縛り付けるのが嫌いなんだ。契約みたいで。」

アイビー「・・・・。」

ロミオ「俺はお前が好きだ。だから一緒にいたい。それだけで十分だろ?」











 
 


ロミオがアイビーを抱き寄せキスする。


アイビー「 (・・・・・・。) 」













  

















 



ラトーシャはロビンに呼び出され、カフェにやってきた。












 



ロビン「ごめんね。仕事帰りに呼び出しちゃって。」

ラトーシャ「ううん。大丈夫。」

ロビン「あのさぁ・・・・。」

ラトーシャ「うん。」













 



ロビン「まさかとは思うけど、ディーン、そっちに行ってないよね?」

ラトーシャ「え?そっちにって?」

ロビン「この前喧嘩して、家追い出したんだ。」












 



ラトーシャ「・・・・そうなの?」

ロビン「ラトちゃんたちのおうち、ディーン泊まってないよね?」

ラトーシャ「泊まってないけど・・・。」

ロビン「ディーンから何か連絡きた?」

ラトーシャ「ううん。家出たのも知らなかったし・・・・。」












 



ロビン「そっか・・・・。」

ラトーシャ「・・・・・ディーン、ローガンのとこにいるんじゃないかな?」

ロビン「ローガンくんか・・・。」

ラトーシャ「ローガン一人暮らしのはずだし・・・。連絡して聞いてみようか?」

ロビン「ううん。いい。」

ラトーシャ「そっか・・・。」











 


ラトーシャ「家追い出したことって・・・前もあるの?」

ロビン「ないよ。」

ラトーシャ「そうなんだ・・・?」

ロビン「いままでこんな大喧嘩したのもはじめてだし。」

ラトーシャ「そっか・・・・。」












 



ロビン「ラトちゃんさぁ。」

ラトーシャ「うん。」

ロビン「ディーンのこと好きなんでしょ?」

ラトーシャ「え?なに言って・・・。」

ロビン「私が気づかないと思う?ごまかさなくていいよ。わかってるから。」

ラトーシャ「・・・・。」

ロビン「いつから好きなの?」












 



ラトーシャ「・・・・。」

ロビン「言ってよ。」

ラトーシャ「物心・・・・ついたときには・・・・。」

ロビン「そっか。」

ラトーシャ「・・・・ごめん。」

ロビン「むかつくよ・・・・。」

ラトーシャ「ごめんなさい。・・・・・・でもあたし、べつにどうこうするつもりもないし、ディーンのこと・・・。」












 



ロビン「ディーンのそばにいられればそれでいいの、って?ばっかじゃないの?」

ラトーシャ「・・・・・。」

ロビン「彼氏の女友達が彼氏のこと好きなのに、二人が毎週のように遊んでるの、喜んで送り出す女がどこにいるのよ?」

ラトーシャ「ロビンちゃん・・・。」

ロビン「悲劇のヒロインぶってんじゃないわよ!」












 



ロビン「存在自体が邪魔なの。わかる?」

ラトーシャ「・・・・。」

ロビン「あたしたちが喧嘩したのも全部ラトちゃんのせいだよ。ラトちゃんがいなければあたしたちは幸せにやってた。」

ラトーシャ「・・・・・・ごめん。」

ロビン「悪いけど、もう仲良くなんてできない。さよなら。」












 



ロビンが店を出て行く。












 



ラトーシャ「 (あたしが・・・・二人の関係を壊した・・・・・。) 」












 



ラトーシャ「 (ごめん・・・ディーン・・・・。) 」












 



ローガンがシェアハウスにやってきた。
玄関のチャイムを鳴らす。













 



ララ「は~い。」


玄関が開いてララが出てくる。


ララ「あら?ローガンじゃない。」














 



ローガン「よぉ。」

ララ「ここに来るなんて珍しいわね。」

ローガン「お前に話があって。」

ララ「私?・・・・なあに?」

ローガン「あがっていいか?」

ララ「えぇ・・・。」












 



ララの部屋。
ララがテーブルに紅茶を置く。


ララ「どうぞ。」

ローガン「ありがと。」












 



ララ「スーツ姿、珍しいわね。仕事帰り?」

ローガン「あぁ。」

ララ「なんか変な感じね。」

ローガン「単刀直入に言うけど。」

ララ「なあに?」












 



ローガン「この前言ってた男とつきあってるのか?」

ララ「・・・・えぇ。もう1ヶ月くらいになるかしらね。」

ローガン「そうか。サラリーマンって言ってたよな。」

ララ「えぇ。そうだけど。」

ローガン「家は知ってるのか?」

ララ「会社の寮に住んでるわよ。」

ローガン「お前、名刺とかもらってるか?」












 


ララ「名刺?もらってないわよ。」

ローガン「家族にあったことは?」

ララ「ないわよ。だってまだつきあって1ヶ月よ?彼はリバビューの出身だし。」

ローガン「そうか。」










 



ララ「いったいどうしたの?なんか今日顔怖いわよ?」

ローガン「お前の男の名前、クリストファー・シアンだろ?」

ララ「そうだけど・・・・どうして彼の名前を・・・。」

ローガン「この前、ホテルから二人が出て行くところを見かけた。」

ララ「え?・・・・私たちを?」

ローガン「あぁ。」

ララ「なんか、恥ずかしいわね・・・。」

ローガン「ララ、あいつ既婚者だぞ。」












 




ララ「え?彼は独身よ。」

ローガン「確かめたことあるか?」

ララ「だって寮に住んでるからあげられないって・・・。」

ローガン「それは子供と妻が家にいるからだ。」

ララ「子供・・・?」














 



ララ「冗談やめてよ。彼に子供なんか・・・・。」

ローガン「いないって言い切れるか?彼の友達に会ったことはあるか?」

ララ「ないけど・・・。」

ローガン「家族や親戚には?」












 



ローガン「なぜ朝帰りせずに夜中のうちに帰るんだ?」

ララ「それは・・・・。」

ローガン「休日に一日デートしたことあるか?」

ララ「・・・・。」

ローガン「あいつのあとをつけた。」

ララ「え・・・?」

ローガン「郊外の一軒屋が奴の家だ。奥さんと子供の名前もあった。」












 



ララ「そんなの嘘よ。あなた私のことを・・・・。」

ローガン「俺がお前に嘘ついてなんの得になる。」

ララ「・・・・。」

ローガン「俺はお前に嘘をついたことは一度もない。親友だから忠告してやってんだ。」

ララ「・・・・・。」


ローガンが立ち上がる。












 
 
 
置いてあったメモになにか書き込んでいる。


ララ「・・・・?」













 



ローガン「あいつの家の住所だ。嘘だと思うなら自分で確認してこい。」












 



ローガン「じゃあな。紅茶ご馳走様。」


ローガンが部屋を出て行く。













 



ララがゆっくりと立ち上がり、メモの前に立つ。













 
 


ララ「 (嘘・・・・。そんなの嘘に決まってるわ・・・・。) 」