女心



 


ディーンが家に戻ったのはもう空が明るくなった頃だった。


ディーン「ただいま~。」













 


リビングのソファーにロビンが座っている。


ディーン「うわっ!・・・びっくりした。起きてたんだ?」













 


ロビン「眠れると思ったの?」

ディーン「え・・・いや、今日仕事だろ?大丈夫か?」

ロビン「大丈夫じゃないよ。」












 



ロビン「今何時だと思ってるの?もう6時だよ?外見てみなよ。」

ディーン「うん・・・。ごめん。」

ロビン「ごめんじゃないよ。」

ディーン「なんで怒ってるの?」












 



ディーン「朝帰りしたから?それとも引き止めたのに出て行ったから?」

ロビン「両方。」

ディーン「今回は事情がちゃんとあったし、しょうがないだろ?」

ロビン「でも相手はラトちゃんだよ?」

ディーン「だってラトは親友だし・・・。」













 



ロビン「なんでそばにいて気付かないの?あの子、ディーンのこと好きなんだよ?」

ディーン「は?んなわけないだろ。だってラトは・・・。」

ロビン「好きな人っていうのはディーンのことなんだよ!」

ディーン「・・・・。」

ロビン「私が二人が一緒にいるのを快く思うわけないでしょ?!」












 
 

 

ディーン「・・・・ごめん。でも俺・・・。」

ロビン「もう嫌!この家から出て行って!!」

ディーン「え?ロビン・・・。」

ロビン「ここは元々あたしが住んでた家だもん!ディーンが出てって!」

ディーン「別れようってこと?!」

ロビン「違う!そうじゃないけど今は一緒にいたくないの!顔見たくない!」











 
 


ディーン「ちょっと待てよロビ・・・。」

ロビン「嫌!もう決めたの!今すぐ出てって!私がいいっていうまで帰ってこないで!」

ディーン「ロビン~。」

ロビン「すぐに出てって!」












 


家を追い出されたディーンはあるマンションを訪れた。
ロビーのインターホンを押す。


ディーン「俺・・・・。開けて?」












 


エレベーターで上がり、ドアの前に立つ。
ドアが開いてローガンが出てきた。


ディーン「ごめんな、朝早くに。・・・寝てた?」

ローガン「いや、起きてた。」












 


ローガン「どうした?」

ディーン「ロビンに家追い出された。」

ローガン「は?」

ディーン「しばらく泊めてくんない?」












 


ディーン「仕事だよな?」

ローガン「あぁ。時間あるから大丈夫だ。」

ディーン「ごめんな。」

ローガン「まったくだ。」












 


ローガン「んで?なにしたんだ?」

ディーン「ロビン、俺とラトが会うのが嫌みたいなんだよ。」

ローガン「・・・・・。」












 



ディーン「週1くらいで飲みに行ってたんだ。職場近いからさ。」

ローガン「うん。」

ディーン「そのことを前からちくちく言われてて。そんでゆうべ夜中にラトから電話来たんだよ。」

ローガン「ほう・・・。」

ディーン「あいつ自転車で帰り道に車に接触したらしくて、病院にいるから迎えに来てほしいって言われて迎えに行ったんだけどさ。まぁたいしたことなくてよかったんだけど。」












 


ディーン「そんで朝帰ったらロビンが寝ないで待っててすごい剣幕で怒られて。」

ローガン「へぇ・・・。」

ディーン「ラトが俺のこと好きだって。だから一緒にいるのが嫌なんだって。」

ローガン「・・・・。」

ディーン「被害妄想だよな?」













 


ローガン「・・・・・。」

ディーン「・・・・違うの?」

ローガン「・・・・。」

ディーン「・・・・嘘だろ?」













 



ローガン「あいつそんな素振りみせないからな。お前が気付かないのも無理ないわ。まぁ・・・・お前だし。」

ディーン「おい。」

ローガン「お前以外はみんな気付いてたけどな。」

ディーン「・・・・マジかよ。」













 



ローガン「ロビンが嫉妬するのも無理ないな。女ってのはそういう生き物だ。」

ディーン「でも俺は・・・。」

ローガン「あいつらは自分のことしか考えてないからな。」

ディーン「・・・・・。」













 



ローガン「今はほっとくしかないんじゃないか?二人とも。無駄にかかわるとまたケガするぞ。」

ディーン「・・・・うん。」

ローガン「行くあてないなら泊めてやってもいいけど。」

ディーン「ホントすまん。掃除とか俺やるから。」

ローガン「うん。」












 



ディーン「てか・・・・・あいついつから俺のこと・・・。」

ローガン「俺が会ったときからだったな。たぶんあの様子じゃ子供の頃からじゃないか?」

ディーン「マジか・・・・。」













 



ローガン「俺そろそろシャワー浴びて仕事行くけど。」

ディーン「そっか。俺ゆうべ寝てなくて・・・。」

ローガン「俺のベッドで寝るなよ。クローゼットに寝袋あるからそれ使え。」

ディーン「寝袋かぁ~。」

ローガン「悪いけど。ソファーよりマシだろ。」
















 
 

 

数日後。
ディーンはローガンの家でテレビをみている。













 



ディーン「 (あいつ、今日も遅いな・・・・。また女のところか。) 」













 



ディーン「 (そろそろ寝るか・・・。つーか俺女みてぇだなw なんかロビンの気持ちちょっとわかんなくもねぇかな・・・。1週間したらメールでもしてみるか。) 」












 


ディーンが寝袋にもぐりこむ。


ディーン「 (この寝袋にもすっかり馴染んできたな。嬉しくねぇけど・・・。) 」












 



ディーン「ZZZ・・・・。」













Screenshot-6156.jpg
 



その頃、ローガンはホテルの一室にいた。
バスルームからシャワーの音が響く。












 


ドアが開いてバスルームからローブを着た女性が現れる。


バレリー「ふぅ~・・・。」












 



バレリー「今日も帰らなくて平気?」

ローガン「あぁ。」













 



バレリー「でも彼待ってるんじゃないの?」

ローガン「疲れて寝てるんじゃないか?」

バレリー「ふふっ。私は嬉しいけどね。 あなたに会うと仕事の疲れも飛ぶわ♪」

ローガン「女医って大変?」

バレリー「私は歯医者だからね。楽しいわよ、工事♪」

ローガン「工事かw」












 


バレリー「彼も連れてくればいいのに。私は平気よ?」

ローガン「やめてくれよ。俺はそういうのムリ!」

バレリー「あら、そうなの?そういうのも好きかと思ったわ。」

ローガン「いやいや。女2人の3Pならいいけど男2人はかんべんしてくれ。」












 


バレリー「残念。・・・その子、かわいい?」

ローガン「バレリー、俺一人で十分だろ?」

バレリー「その若さでそのテクニックは素晴らしいわ。私がもうちょっと若かったらな。」

ローガン「十分若いよ。」












 


ローガンがバレリーの上に覆いかぶさる。












Screenshot-6164.jpg