過去の情事 Day:2012.04.05 00:31 Cat:ビーチアパート編 プロトたちの結婚式から数日がたった。Kがキッチンへ入っていくとメリッサがいた。 K「なにしてんの?」メリッサ「この前ご馳走になったお礼に料理作ってるのよ。」K「そうじゃねえよ。」 K「弟のこと、元さや狙ってるんだろ?」メリッサ「・・・・べつにいいでしょ?Jとはお互い嫌いで別れたわけじゃないのよ。」K「あんたにはあいつは似合わねえよ。」メリッサ「なによそれ。」 メリッサ「別れたのだってあんたのせいじゃない。あんたが誘惑なんかしてくるから・・・。」K「その誘惑に簡単に乗るような女だったからだろ。だからあいつはあんたに愛想つかしたんだよ。わかんねえのか?」メリッサ「なによ!あんただって一度抱いただけですぐ私に飽きたくせに。」K「俺と寝たときすでに処女じゃなかったもんな。相手はJでもなかった。」 マリアが廊下を通りかかる。二人の声に立ち止まる。 マリア「 (Kちゃんと・・・メリッサさん?どうしてあの二人が・・・。) 」 メリッサ「それでもJのことは本気だった。いまもそうよ。私たちの邪魔しないで。」K「どうせほかに男いんだろ?純粋ぶんなよ。あいつはもうわかってると思うけどな。」 K「あんたのそういうとこ、あいつは知っててつきあってやってるだけだよ。」メリッサ「それでもいいわよ。私は取り戻したいの、あんたに奪われた恋を。」K「恋ねぇ・・・。」メリッサ「もうあんたの誘惑には二度と乗らないから。私に近づかないでよね。」 K「もうあんたに興味ねえよ。せいぜいがんばれ。無理だと思うけどな。」メリッサ「こんなとこまであんたが出てくるとは思わなかったわ。」K「ははっ。こうみえてあいつとは兄弟なんでね。」メリッサ「知ってるわよバカ・・・。」キッチンには和やかな笑い声が響いていた。揃って食事をとるJたち。メリッサ「こんな簡単なものしか作れなくてごめんね。あんまり料理得意じゃなくて。」ヴィクトリア「おいしいよ~。ねぇJくん。」J「うん。はじめて作ったにしては悪くないな。」メリッサ「ホント?嬉しい~♪」クレアがキッチンへやってきた。ヴィクトリア「おかえりクレア。ご飯食べる?メリッサちゃんが作ってくれたんだよ~。」クレア「食欲ないからいらない・・・・。」ヴィクトリア「そう?おいしいのに。」メリッサ「無理しなくていいよ~。思春期だしダイエットでもしてるのかしら?」ヴィクトリア「クレア痩せすぎなんだからダイエットなんて必要ないのに~。」クレア「・・・・部屋行くね。」K「大丈夫か?」クレア「うん・・・。」その晩、Kがたずねたのはマリアの部屋だった。K「マリア、俺だけど。入っていいか?」マリア「Kちゃん・・・?どうぞ・・・。」マリア「なにか・・・・用?」K「今日、聞いてたろ?俺とメリッサの話。」マリア「・・・・ごめんなさい。なんか深刻そうで声かけられなくて・・・・。」K「いいんだ。いつか話さなきゃいけないと思ってたから。」 K「高校のとき、Jがメリッサと付き合いだして半年くらいかな。Jはうちに連れてきたりしてたから、俺も何度もメリッサには会ってたんだ。」マリア「うん・・・。」K「ある日俺はメリッサに相談を受けた。Jがなかなか手を出してこないって。もしかしたらホモなのかもって疑っててさw」マリア「ありえないわよ・・・・。」K「そうだなw でもメリッサは悩んでた。それで何度か相談に乗ってるうちに、いい雰囲気になって。メリッサと寝た。一度だけだけどな。」マリア「・・・・・。」 K「そのあとメリッサから誘ったらしくて、JとはちゃんとHもできたみたいなんだけど、結局俺と寝たことがバレて1年で破局したってわけ。」マリア「どうして私にそんな話・・・・。」K「言ったろ。お前が好きだって。」 K「俺が真剣だってことわかってほしい。だからお前には変な誤解させたくないんだ。」マリア「・・・・・。」K「ちょっと俺、これからクレアの部屋に行ってくるけど、あいつのことは妹みたいにしか思ってないし、これからもなにもない。今日のあいつ、なんか変だから様子みにいってくるだけだ。」マリア「うん・・・・。」K「おやすみ。」マリア「おやすみなさい。」 Kが部屋を出て行く。マリアはその後姿を見送っていた。 マリア「 (Kちゃん・・・・・・。) 」K「大丈夫か?」クレア「・・・・・あんまり。」K「Jのことか?」クレア「もうわかんないよ。」 クレア「この前・・・・・キス・・・・されたんだ・・・・。」K「あいつから?」クレア「うん。私がマリアさんとあの人どっちが好きなの?って・・・・しつこく聞いてたら、怒って・・・・。」K「 (あいつ相当たまってんな・・・・。抑制された感情が爆発したんだな。) 」クレア「でもあれはからかっただけなんだって。お前みたいなガキに興味ないって・・・・。」K「そっか・・・・。」クレア「ちょっと期待してた自分がバカみたい・・・・。私・・・・なんかもうボロボロだよ・・・・。」K「我慢すんな。泣きたいときはいっぱい泣け。」Kがクレアを引き寄せて抱きしめる。 Kの胸にしがみついて泣き出す。感情が一気に溢れ出し、涙が止まらなかった。Kはしっかりとクレアの小さい体を抱きしめた。 URL Comment(0)Trackback(0)Edit