再会



ビーチアパート解散から3年半が過ぎた。
Jはサンセットバレーに残り、一人暮らしをしている。
ほかのみんなもそれぞれ生活していた。





 

ライム家を訪れたJ。


イブ「いらっしゃ~い。」

J「よぉ。体調大丈夫か?」






 


イブ「大丈夫。来月出産予定だけどね。」

J「その子は二人目?」

イブ「そうだよ~。ダーリルくんでちゅ。」

J「はは。イブもすっかりママだな。」

イブ「そりゃあ2人も産めばねぇ。その上3人目もおなかの中だし。てか、こんなとこじゃなんだからあがってあがって!」





 


イブ「コーヒーでいい?」

J「おぅ。サンキュ。上の子は?」

イブ「もう幼稚園だよ~。」

J「早いな~。」


Jがダーリルを抱き上げる。





 


まったく人見知りしない子のようだ。
Jに抱かれても笑顔のままだった。


J「やっぱかわいいな~子供は。」

イブ「Jさん作らないの~?」

J「相手がいねーよ。」

イブ「まだ独り身??」

J「仕事忙しいんだよ。」





 


二人がテーブルにつく。


イブ「彼女作らない言い訳でしょ?」

J「そんなことねぇよ。マジで忙しいんだって。」

イブ「ふぅん・・・。」




 


J「それよりお前、式出れるのか?」

イブ「うん、来週でしょ?まだ予定日まで1ヶ月あるし、大丈夫。」

J「そっか。まぁいざとなったら俺がとりあげてやるよ。」

イブ「やだ~w いくらなんでも恥ずかしすぎるwww」




 


イブ「それにしても、ようやくだね。ヴィクトリアちゃんたち。」

J「そうだなぁ。意外に時間かかったな。」

イブ「カイトさんがまじめだからねぇ。それでも今じゃオーケストラの作曲家だもんね。」

J「あぁ。あの年で、スピード出世だよな。」

イブ「ロックのほういくんだとばかり思ってたよ。メアリーとプロトさんはそっち行ったのにねぇ。」

J「あの二人はそのほうが会ってるしな。」

イブ「メアリーたち、2人目作らないのかなぁ?」

J「ソロモンのときが難産だったからな~。なかなか難しいんじゃないか?」









イブ「そっかぁ。」

J「お前はどんどん産むなw」

イブ「だって~w ビリーが絶倫なの知ってるでしょw」

J「うん、聞いたw」

イブ「もう大変だよ~。まぁおかげで私は専業主婦やってられるんだけどね。」

J「そうだな。旦那は仕事か?」

イブ「うん。最近残業増えて・・・。」

J「いいことだな。」





 

イブ「それよりJさん。いつまで独りでいるつもり?仲間内でJさんだけだよ~。」

J「そうだな。兄貴たちも婚約は済んでるし、そろそろだなきっと。」

イブ「ビリーの職場にいい子いないか聞いてみようか?」

J「消防士の女~?やめてくれ・・・・。」

イブ「じゃあどういう子がタイプなの?」






 


J「タイプか・・・・・・。」


浮かぶのは黒髪のおかっぱ。
穢れを知らない無垢な瞳。
彼女の目はいつもまっすぐに自分をみつめていた。


イブ「まだ、忘れられないの?」

J「・・・・・。」





 


イブ「来週の式には参列するんじゃないの?実はもう帰ってきてたりしてね。」

J「そうだな・・・。」

イブ「ずっと会ってないんだよね?何年?」











J「3年半か・・・。」

イブ「女の子の3年半は早いからね。すっかり変わっちゃってるかもしれないね。」

J「そうだな・・・・・。」










 

ヴィクトリアとカイトの結婚式の2日前、Jの携帯に電話がかかってきた。


J「はい。」

ヴィクトリア『Jくん?久しぶり!』

J「おぅ。どうした?」

ヴィクトリア『ちょっとお願いがあるんだけど・・・・。』

J「何?式直前でなにかトラブルでもあったのか?」

ヴィクトリア『そういうわけじゃないんだけどね。明日クレアがこっちに来るんだけど、迎えに行けないのよ。』




 


J「・・・・それで?」

ヴィクトリア『私とカイトは式の準備でバタバタだし、迎えに行ける人がいないの。Jくん、お願いしてもいいかな?』

J「なんで俺なんだ?」

ヴィクトリア『メアリーたちもツアーの最終日で行けないらしいの。Jくん、明日土曜だからお仕事お休みだよね?』

J「そうだけど・・・。」

ヴィクトリア『お願い~。お礼するから!』

J「いや、お礼とかはいらねぇよ。・・・・・わかった。」

ヴィクトリア『ホント?!ありがと~♪助かる!』




 

飛行機の時間とゲートを聞いて電話を切った。

















J「 (3年半ぶりか・・・・・。) 」
















 


空港でJは飛行機の到着を待っていた。


J「 (やばい。緊張してきた・・・・。) 」


飛行機の到着を報告するアナウンスが流れる。
Jは立ち上がった。






 


階段を下りてくる一人の女性の姿。
忘れるはずがない。
3年半、ずっとJの心の中に彼女はいた。
その彼女がいま目の前にいる。







 


J「 (変わんねぇな・・・。) 」




J「クレア。」


Jが声をかける。











クレア「J・・・・?」

J「久しぶり。元気だったか?」

クレア「う・・・ん・・・・。なんで・・・・ここに?」

J「ヴィクトリアに迎えに行くように頼まれたんだよ。」

クレア「嘘・・・・?お姉ちゃん、自分が来るって言ってたのに・・・・。」











J「綺麗になったな。」

クレア「・・・・・なんか・・・・Jからそんな言葉、ちょっとびっくり。」

J「はは。おっさんみたいだな。」

クレア「おっさんじゃないよ・・・。Jは変わってないね。」

J「そうか?」

クレア「うん。全然変わってない。」





 


J「荷物それだけか?」

クレア「あ・・・・・そうなんだけど・・・・・。」

J「?」

シン「クレア!」







 


クレア「シン・・・・。」

シン「ごめんごめん。トイレ混んでてさ。」

J「君は・・・・。」







 


シン「・・・・あんた、たしか・・・・。」

J「高校のときの・・・・。今は友達なのか?」

シン「彼氏だよ。クレアの。」

クレア「シン・・・・。」