旅立ち Day:2012.04.11 22:55 Cat:ビーチアパート編 あっという間に月日は過ぎ、クレアの卒業式がやってきた。 そしてアメリカへ発つ前日の晩。クレアはJの部屋の前に立っていた。クレア「J・・・・私、クレアだけど。」返事はない。クレア「・・・・開けるよ?」ゆっくりとドアを開ける。Jはベッドに横たわっていた。寝ているようだ。起きる気配はない。 クレア「 (夜勤だったから疲れてるのかな・・・・。) 」クレア「 (Jの寝顔、はじめてみた。この顔も・・・・もう最後かぁ・・・・。) 」クレア「 (最後くらい・・・・・わがまま、いいよね?) 」そっとJの唇にキスする。 ふいに抱きしめられ、ベッドへ押し倒された。Jの体が覆いかぶさる。Jの指が髪をなでる。クレア「ごめんなさ・・・・。」 クレアの言葉をさえぎるように唇がふさがれる。クレアの細い指にJの指が絡まる。クレア「J・・・・?」J「お前が好きだ、クレア。ずっと好きだった。」クレア「嘘・・・・。」J「嘘じゃない。」クレア「じゃあなんで・・・・。」J「年齢だけじゃない。俺はお前の両親に責任を任されてる。それなのにお前と付き合うことなんて俺にはできない。」クレア「あの人と付き合うっていうのは・・・?」J「あれは嘘だ。メリッサとはもう会うことはない。お前に嘘ついたのはお前の決心を揺らがせたくなかったからだ。」 J「お前にはもっとたくさんのことを経験してほしい。そしていい女になれ、クレア。」クレア「・・・・・。」J「だから待つとは言わない。帰って来いとも言わない。」クレア「J・・・・。」J「連絡もしない。お前はお前の人生を精一杯生きろ。」クレア「・・・・・最後に・・・・・・もう一度だけ。」J「・・・・なんだ?」クレア「もう一度だけ・・・・キスして?」J「・・・・。」クレア「今だけ・・・・この瞬間だけ恋人同士でいさせて。」Jはしっかりとクレアの細い体を抱きしめた。背中に回す腕に力を込める。クレアの瞳から涙が流れた。 翌日、クレアたちは空港にいた。見送りにはメアリーケイト、ヴィクトリア、カイト、プロトの4人がいた。 ヴィクトリア「いってらっしゃい。」メアリーケイト「ママとパパによろしくね。」 クレア「うん。大学の寮に入るけど、週末はママたちの家に帰るよ。」ヴィクトリア「うん。勉強がんばるんだよ。」クレア「はい。いままでお世話になりました。」 メアリーケイト「やめてよ。泣けてくるじゃん。」クレア「あはは。プロトとカイトも、お姉ちゃんたちのことよろしくね。」プロト「もちろんだよ。」カイト「あぁ。心配するな。」ヴィクトリアがクレアを抱きしめる。クレア「ありがとう、お姉ちゃん。」ヴィクトリア「お礼を言うのはこっちのほうだよ。いつでも帰ってきてね。」クレア「うん。」メアリーケイト「愛してるよクレア。」クレア「私も愛してる。元気な赤ちゃん産んでね。」メアリーケイト「うん。」 クレアを乗せた飛行機が飛び立った。 その頃、テラスに出て空を見つめるJの姿があった。 J「 (また・・・・な・・・・・。) 」 その日の午後、ビーチアパートに集まるメンバーたち。 J「みんな集まってくれてありがとう。」マリア「ホントに最後なのね・・・。」K「同じ街に住んでるんだからいつでも会えるだろ。」マリア「そうだけど・・・なんか寂しいわ。」 ヴィクトリア「ホントだね・・・。」カイト「これからもしょっちゅうこのメンバーで集まろうぜ。」K「いいな。」ヴィクトリア「うん。絶対ね。」 J「メアリーたちも、わざわざありがとな。」メアリーケイト「なに言ってんの。当たり前でしょ。仲間なんだから。」プロト「そうだよ。」J「そうだな。」J「みんなと過ごした1年半、すげえ楽しかった。」カイト「あぁ。」J「ビーチパートを・・・・・・今・・・・ここで解散する。」 URL Comment(0)Trackback(0)Edit