お昼休み、ラトーシャとアイビーが1組を訪ねた。


アイビー「ララ~。」

レイサ「あ、アイビーちゃん。」












 




レイサ「ララちゃん今日お休みしてるわよ。」

アイビー「え?そうなの?」

レイサ「なんか噂が流れてるんだけど聞いた?」

ラトーシャ「噂?」













 




レイサ「ゆうべ学校に警察の車が止まってたのを見た子がいたみたいなんだけどね。」

ラトーシャ「警察?なんかあったの?」

レイサ「それがね、ラベット先生が捕まったらしいの。」

アイビー「え?」












 




ラトーシャ「ラベットってあの数学の?」

レイサ「そう。なんかレイプ事件があったとかで・・・。」

ラトーシャ「レイプ??」

レイサ「その相手がララちゃんじゃないかってみんな噂しててね。」












 




ラトーシャとアイビーが顔を見合わせる。


レイサ「二人ともララちゃんの親友でしょう?なにか知ってる?」

ラトーシャ「いや。全く。」

レイサ「そっかぁ~。噂だからホントかどうかはわからないけどね~。」

ラトーシャ「まぁね。」

アイビー「・・・・。」












 




ローガンが教室から出てきた。


ラトーシャ「ローガン。」












 





ローガン「なに?」

ラトーシャ「今日、放課後ララんちにお見舞い行こうと思うんだけど。一緒に行かない?」

ローガン「べつにいい。」

ラトーシャ「・・・・ゆうべなんかあったの?」

ローガン「なんかってなんだ。」

ラトーシャ「学習クラブでララと一緒だよね。」

ローガン「そうだけど?」











 





ラトーシャ「なんか・・・・変な噂が流れてるけど。」

ローガン「ほっとけ。噂なんて話がでかくなってるだけだろ。」

ラトーシャ「・・・・・そうだよね。んで、お見舞い・・・。」

ローガン「俺はいい。」

ラトーシャ「そっか・・・・。」












 




3人が話しているとディーンが教室から出てきた。


アイビー「ディーン。」

ディーン「なにしてんだ?」











 




アイビー「ララのお見舞い行くんだけど、一緒に行かない?」

ディーン「あ~、いや、いいや。二人で行けよ。」

アイビー「うん・・・・。」












 



ディーン「病気だとしたら弱ってるとこ、男に見られたくないだろ。」

ラトーシャ「・・・・そうだね。」

ディーン「二人で行っておいで。」

アイビー「うん。わかった。」












 




ラトーシャ「じゃあね。」

ディーン「あぁ。」


ラトーシャとアイビーが立ち去る。


ディーン「お前だろ。」












 





ディーン「ララのこと助けたの。」

ローガン「・・・・・。」

ディーン「いつもクラブのあと、待ってたの知ってる。」

ローガン「・・・・・。」










 




ローガン「偶然だ。」

ディーン「ふぅ~ん。」












 



ブラウン家。
ララの父親、Kが仕事から帰ってきた。
カメラマンをしているため、世界中を回っていて家にいることが少ない。


マリア「あなた・・・。おかえりなさい。」

K「あぁ。ただいま。」












 




マリア「帰ってこられたのね。」

K「遅くなってすまない。」

マリア「いいえ。帰ってきてくれただけで・・・。」












 




K「あの子は?」

マリア「部屋にいるわ。今日はもうだいぶ落ち着いたみたいで、明日にでもカウンセリングに行ってこようかと思ってるの。」

K「そうだな。それがいい。」

マリア「落ち着くまで学校は休ませるわ。」

K「あぁ。君がいてくれて本当によかった。」











 



マリア「あなた・・・・私一人じゃ心細くて・・・。あなたが帰ってきて本当によかった。」

K「すまなかったな。これからは仕事を減らすよ。」

マリア「私もそうするわ。これからはもっとあの子のそばにいてあげなきゃね・・・。」

K「あぁ。そうだな。」











 




ドアをノックして、Kが部屋に入ってくる。


ララ「パパ!」

K「ララ、ただいま。」












 




ララ「おかえりなさい。」

K「すまなかったな。大変なときにそばについてやれなくて。」

ララ「パパ・・・・。」


ララが泣き出す。












 





Kがララを抱きしめた。


K「ママから聞いたよ。ララ、お前が無事で本当によかった。」

ララ「パパぁ・・・・。」

K「パパとママがお前のことをどんなに大事かわかるか?」

ララ「うぅ・・・・。」












 





K「もう大丈夫だよララ。パパもしばらくは休みをとることにした。仕事もこれからは減らしてうちにいるから。」

ララ「うん・・・。」

K「愛してるよララ。お前は私の大切な宝物だ。」

ララ「うん・・・・・・。」













 



ラトーシャ「こんばんは。」

マリア「あら、ラトちゃんにアイビーちゃん。」

アイビー「ララのお見舞いに来ました。」











 

 




マリア「わざわざありがとう。ララも喜ぶわ。」

ラトーシャ「ララに会えますか?」

マリア「えぇ。もちろんよ。さぁ、二人ともあがって。」












 



ドアをノックしてラトーシャとアイビーがララの部屋へ入ってきた。


ラトーシャ「ララ・・・・おじさまこんばんは。」

K「やぁ。いらっしゃい。」

ララ「二人ともどうしたの?」

アイビー「学校休んでたみたいだからお見舞いにきたの。」












 




K「そうか。じゃあ俺は行くよ。友達とゆっくりしなさい。」

ララ「はいパパ。ありがとう。」

K「あぁ。」












 



K「二人ともゆっくりしていってくれ。」

ラトーシャ「ありがとうございます。」


Kが部屋を出て行く。


ララ「二人とも座って。」

アイビー「うん。」












 



アイビー「具合大丈夫?」

ララ「えぇ。もう大丈夫よ。」

アイビー「学校は?」

ララ「・・・・ちょっとしばらくは無理かもしれないわ。」

ラトーシャ「・・・・変な噂が流れてるけど。」

ララ「噂?」


ラトーシャが学校で流れている噂の内容をララに話す。












 



ララ「そう・・・・。」

ラトーシャ「本当なの?」

ララ「・・・・・・・えぇ。本当よ。」

アイビー「そんな・・・・。」

ララ「でも大丈夫よ。なにもされてないわ。ローガンが助けに来てくれたの。」

ラトーシャ「え?」












 




ララ「ローガン、最近クラブのあとは決まって私を待っててくれたの。」

ラトーシャ「ローガンが?」

ララ「えぇ。一緒には帰ってないんだけどね。いつも帰るころになるとふと現れるのよ。離れてだけど、一緒に帰ってたの。」

アイビー「そうだったんだ?」

ララ「昨日はたぶん・・・・私がなかなか出てこないから探しにきたんだと思うわ。それで・・・・・ラベット先生から守ってくれたの。」












 



ラトーシャ「あのローガンが・・・・。ちょっと信じられない。」

アイビー「どうして?」

ラトーシャ「・・・・ずっと黙ってたけど、あいつSFいるんだよね。」

アイビー「SF?」

ラトーシャ「彼女じゃないけど体の関係だけの女。」

アイビー「そうなの?」

ラトーシャ「うん。なんか・・・・恋愛に対しての考え方も変っていうか・・・・ひねくれてるみたいだし。」












 




ララ「そうね・・・・。」

ラトーシャ「そのあいつが同じようなことしてるラベットを助けるなんて・・・。」

ララ「同じじゃないわよ。」

ラトーシャ「え?」

ララ「ローガンは無理矢理体の関係を持ったことはないって言ってたわ。それに彼・・・・意外にいいところもあるのよ。」

アイビー「そうだよね。ディーンと親友だもん。ディーンがいやなやつと友達続けるわけないし。」












 



ラトーシャ「たしかに・・・。」

ララ「私はローガンがいたから助かった。ローガンにはホントに感謝してるわ。ちょっと見直したしね。」

ラトーシャ「そっか。」

アイビー「なにもなくてホントよかった。」

ラトーシャ「うん。そうだね。」

ララ「えぇ。二人ともわざわざありがとう。」

アイビー「無理しないでゆっくり休んでね。」

ラトーシャ「噂なんてすぐみんな忘れるからさ。」

ララ「えぇ・・・・。そうね。」












 




数日後、ローガンがブラウン家を訪れた。


ローガン「こんばんは。」

マリア「まぁ。ローガンくんね。」












 




ローガン「はい。」

マリア「昨日夫と二人であなたのお宅へ伺ったのよ。お礼をいいたくて。」

ローガン「母から聞きました。わざわざありがとうございます。」

マリア「あがってちょうだい。」

ローガン「いえ。授業のノートのコピーを持ってきただけですから。」












 




マリア「わざわざありがとう。ララに会っていかない?」

ローガン「いえ。俺を見たらいやなことを思い出すかもしれないですし。」

マリア「そんなことないわ。あなたは救世主よ。」

ローガン「そんな大したもんじゃないです。」











 




ローガン「ララさんが元気ならいいんです。彼女は勉強熱心だったので、授業のことが気になってるんじゃないかと思って。」

マリア「まぁ、気を遣ってくれてありがとう。」

ローガン「ララさんに渡してください。」

マリア「えぇ。ララも喜ぶわ。」

ローガン「では失礼します。」













 




ブラウン家を後にするローガン。












 




マリア「ララ、入るわね。」


ララの部屋にマリアがやってきた。












 



マリア「お勉強してたの?」

ララ「うん。しばらく休んでる間に遅れたくないから。」

マリア「そう。今あなたにお客さんが来たのよ。」

ララ「ラトたち?」

マリア「いいえ。ローガンくん。」












 




ララ「ローガン?」

マリア「そうよ。わざわざ授業のノートをコピーして持ってきてくれたのよ。」

ララ「・・・・・そう。」

マリア「あがってって言ったんだけど、自分はいいですって帰っちゃったわ。」

ララ「・・・・。」












 




マリア「素敵な男の子ね。」

ララ「・・・・うん。」

マリア「落ち着いたら一緒にお礼を言いにいきましょうね。」

ララ「そうね・・・・。」












 




マリア「ララ、学校はいつでもいいから。ゆっくり休んでカウンセリングだけは通いましょうね。」

ララ「はい、ママ。」

マリア「明日も午前中に予約してあるから一緒に行きましょう。」

ララ「うん。」

マリア「もうすぐご飯の用意ができるから降りてらっしゃい。」

ララ「はい。」











 



マリアが部屋を出て行く。












 




マリア「 (ローガンが・・・・。) 」