家族旅行の思い出



 

休日、家族で裏庭のプールで遊んでいた。






 

Jとネオはチェスをしている。
ネオは高校1年になっていた。


ネオ「父さん、今度のテストいい点取れたらお願い聞いてくれる?」

J「お願いってなんだ?」

ネオ「自分の車が欲しいんだ。」

J「それでバイトしてたのか?」




 


ネオ「うん。でもまだ足りないんだ。」

J「そうか。」

ネオ「お願い!」

J「あぁ。4教科90点以上だったらな。」

ネオ「ホントに?頑張るよ。」

J「高校はどうだ?楽しいか?」

ネオ「うん。まぁまぁかな。」




 


J「もうすぐ夏休みだろ?今年は旅行にでかけるぞ。」

ネオ「え?ホントに??父さん休み取れるの?」

J「あぁ。今年はなんとかなりそうだ。いままで家族旅行なんてしたことないからな。」

ネオ「どこ行くの?」

J「まぁそれは当日までのお楽しみだ。」








次男のレオンは中学2年。


クレア「パパが今年旅行に連れてってくれるわよ。」






 


レオン「え~ないない。パパが休み取れるわけないよ。いままでだってどこも連れてってくれてないのに。」

クレア「だから今年は頑張って休暇とったのよ。あなたたちがテスト頑張ったら連れてってくれるって。」






 


レオン「ホントにぃ~?」

クレア「だから次のテスト頑張るのよ。」

レオン「楽勝だよ。」





 


アイビー「パパが旅行連れてってくれるって!」

ディーン「嘘だね~。」

アイビー「ホントだもん!言ってたもん。」

ディーン「うわっ!やったな~この!」

アイビー「きゃははは!」






 


その年の夏、Jたちは家族でフランスへやってきた。










アイビー「ディーン、フランスって何語?」

ディーン「え~英語じゃない?」

アイビー「違うよ~。フランスだからフランス語かなぁ?」





 


アイビー「ディーンはフランス語しゃべれる?」

ディーン「・・・しゃべれない。僕たちまだ小学6年生だぞ?」

アイビー「私しゃべれるよ。ぼんじゅーる、だよ!」

ディーン「ぼんじゅーる、ってどんな意味なんだ?」

アイビー「・・・・・わかんない。」







ネオ「なんでちびたちの面倒俺がみないといけないんだよ!」

クレア「1日だけだから、お願い。」

ネオ「母さんたちだけずるい!」





 


クレア「夕方には帰るから。明日はみんなででかけましょ!」

ネオ「も~、フランス語もわかんないのに。結局ホテルの周りウロウロするしかないじゃん。」

クレア「この旅行が終わったらパパが車買ってくれるわよ。」

ネオ「まったく・・・・。今日だけだからね!」

クレア「ありがとう!さすがお兄ちゃんね!」








二日目。
家族で町にやってきた。
カフェに入って昼食を食べることに。






 


ネオ「昨日大変だったんだからね。父さんたちがいない間、ちびたちがすぐどっか行こうとするし。」

J「すまないな。帰ったら車見に行こう。」

ネオ「絶対だよ~?」

J「ははっ。まかせとけ。」




 


J「ネオは将来の夢はあるのか?」

ネオ「将来の夢?」

J「あぁ。どういう仕事に就きたいとか。」






 


ネオ「う~ん。まだ決まってないかな。」

J「そうか。自分のやりたいことをしなさい。」

ネオ「父さんはどうして医者になったの?」

J「家が開業医だったからな。なんとなくうちは全員医者を目指すようになったな。」

ネオ「ふぅ~ん。父さんも、俺には医者になってほしい?」




 

J「いや、お前はお前の好きなことをしなさい。それがどんな仕事でも、反対するつもりはないよ。」

ネオ「うん。」

J「バイトするのもいい社会勉強になる。部活も大事だが、まだ1年生だしやりたいことをいろいろやってみるのもいいぞ。」

ネオ「そうだね。」







 



クレア「アイビー、フランスは楽しい?」

アイビー「うん!面白い!」

クレア「ここはね、パパとママがハネムーンで来た思い出の町なのよ。」





 


アイビー「ハネムーン?」

クレア「そう。結婚式の1ヵ月後にパパがはじめてお休みをとって連れてきてくれたの。」

アイビー「へぇ~。ママとパパ、どんな出会いだったの?」

クレア「パパはね、プロトおじさんの親友だったの。それでママから好きになったのよ。」

アイビー「へぇ~。」

クレア「ママの熱烈アピールにとうとうパパが折れちゃったのw パパすっごくかっこよくてモテたんだから~。」




 

アイビー「パパ今でもかっこいいもんね。」

クレア「そうよね~。」

アイビー「私もパパみたいな素敵な人と結婚したいなぁ。」

クレア「アイビーの夢はお嫁さんだものね。アイビーもきっとパパみたいな素敵な人が現れるわよ。」

アイビー「ホント?」

クレア「ええ。だってアイビーはとっても素直でかわいい素敵な女の子だもの。」

アイビー「そうなるといいなぁ。」










3日目。


ディーン「もう帰っちゃうの?」

ネオ「あぁ。ビザがないからな。早めに帰る準備しとけよ。お前おもちゃ出しっぱなしだろ。」

ディーン「まだ帰りたくないな~。」

ネオ「しょうがないだろ。父さんは仕事があるんだし。タマとダコダも待ってるぞ。」







アイビー「ダコダ、元気かなぁ?赤ちゃんだからさみしがってないかな~?」

ネオ「タマとダコダはペットホテルに預けてるから大丈夫だ。二人とも一緒だしな。」

アイビー「帰ったらもう大きくなってないかな?」

ネオ「そんなに時差ないから大丈夫だよ。」








ディーン「それにしてもうるさいね~。ゆうべも隣の部屋のエジプト人がすごくうるさかったよ。」

ネオ「しょうがないだろ。いろんな国の人が泊まるホテルなんだから。でも別荘ほしいよな~。」

ディーン「別荘欲しい~。」

ネオ「父さん忙しいからムリだろうな~。」

ディーン「レオンはよく外国人と仲良くなれるよね!すごいよ。」

ネオ「あいつ言葉通じないのにジェスチャーで会話してるもんなw」




 


ディーン「やっぱりレオンはホントはきっと宇宙人なんだよ。」

ネオ「宇宙人ってなんだよw アイビー、そろそろ荷物の準備しとけよ。」





 


J「騒がしいな、このホテル。」

クレア「しょうがないわよ。」

J「子供たちにも悪かったな。」





 


クレア「私はここでよかったと思うわよ。子供たちもきっといい思い出になったわよ。」

J「そうかな?」

クレア「だって今までまったく旅行なんて行かなかったものね。子供たちも楽しんだわよ。」

J「そうだな。」




 


J「次これるのはきっと子供たちが手を離れたころだな。」

クレア「そしたらふたりっきりでまた来れるかしら?」

J「あぁ。子供たちが成人したら、二人でゆっくり旅行行こうか。」

クレア「ふふっ。楽しみね。」




 



クレア「アイビー荷物は準備した?」

アイビー「うん。大丈夫。」






 


クレア「宿題は?」

アイビー「宿題は全部終わらせてから来たから持って来てないよ。」

クレア「そう。えらいわね。」

アイビー「ディーンはまだ終わってないけどね。」

クレア「ふふっ。あの子はのんびりしてるからね。」





 


アイビー「まだ帰りたくないな~。」

クレア「ママもよ。」

アイビー「また家族で来たいね!」

クレア「そうね~。今晩はホテルのお庭でバーベキューよ。」

アイビー「やった~!」






クレア「ネオ、おとといはありがとうね。」

ネオ「いいよ。いつものことだし。」

クレア「ふふふっ。あなたがしっかりしててママ頼りにしてるのよ。」





 


クレア「今晩はバーベキューなんだけど、ママちょっと買出しに行ってくるわね。」

ネオ「あぁ。わかった。」

クレア「パパも本屋さんに行きたいみたいだから子供たちのことよろしくね。」

ネオ「うん。」




 


クレア「2時間くらいですぐ戻るから。」

ネオ「うん。」





 


日が沈む前に早めにバーベキューをはじめた。






 


J「フランス楽しかったか?」

アイビー「とっても楽しかった!」





 


レオン「俺も。エジプト人と仲良くなれたし。」

ネオ「なんでフランス来てエジプト人なんだよw」

レオン「なんかエジプト人のおっさんが面白くてさ~w」




 


クレア「ディーンはどうだった?」

ディーン「うん。面白かったけど、友達に会いたい。」

クレア「来年はディーンも中学生だものね。」




 


レオン「みてみて~、俺の超肉食!」

ディーン「レオンだけずるい~。」

レオン「なんでみんな野菜ばっか食ってんだよwww」





 



こうして3日間のフランス旅行は終了した。