喧嘩




 
 


休日、ララはラトーシャの家に遊びに来ていた。











 



ララ「この間のキャンプのときにね。」

ラトーシャ「うん。」

ララ「ローガンに・・・・キスされちゃったの。」

ラトーシャ「え?なんでローガン?」











 



ララ「ローガン、なにかといちいち私に突っかかってくるのよね。最初はむかつくやつだと思ってたけど、もしかして私のこと好きなのかしら?」

ラトーシャ「・・・なんでそういう流れになったの?(結局自慢?) 」

ララ「それは・・・・アイビーたちのキスしてるところをみちゃって・・・・。」

ラトーシャ「?」












 



ララ「ローガンが怒り出して・・・。」

ラトーシャ「怒ってるのにキス?意味わかんないんだけど・・・。」

ララ「・・・・。」

ラトーシャ「ララ、あんたジーン先輩のこと好きなんじゃないの?」

ララ「え・・・・?」












 



ラトーシャ「ローガンはそれを知ってて怒ったんじゃないの?」

ララ「・・・・・。」

ラトーシャ「ララ、あたしからも言うけど・・・アイビーはあたしたちの親友だよね?」

ララ「・・・・当たり前じゃない。」

ラトーシャ「そのアイビーの彼氏をとるようなことだけは、してほしくないよ。」










 




ララ「わかってるわよ。」

ラトーシャ「わかってればいいけど・・・・。」

ララ「私だって別にアイビーから奪おうなんて考えてないわよ。」

ラトーシャ「そうかもしれないけどさ・・・。結構長い間ララも好きみたいだったから・・・。」

ララ「私はとっくに振られたわよ!」

ラトーシャ「え・・・・?」










 



ララ「だけどそんな簡単に忘れられるわけないでしょ!私だって始めて人を好きになったんだから!」

ラトーシャ「・・・・。」

ララ「なによ!ラトだってずっと告白もできないくせに。私に指図しないで!」











 


ララ「帰る!」

ラトーシャ「・・・・。」


ララが立ち上がり部屋を出て行く。












 



ラトーシャ「・・・・なんなの?むかつく・・・・。」












 



翌日。
休み時間になるとおしゃべりに夢中なララとラトーシャが全く口をきこうとしない。
さすがのアイビーも異変に気づき、本を読むのをやめた。


アイビー「ねぇ。」












 




アイビー「二人ともなんか今日変だよ?」

ラトーシャ「別に普通だよ。」

アイビー「喧嘩でもしたの?」












 



ラトーシャ「してない。」

アイビー「ホントに?」

ラトーシャ「ホントに。」












 



アイビー「ララ・・・ホント?」

ララ「えぇ。別になんでもないわよ。」

アイビー「・・・・・。」












 



放課後、アイビーはララを食堂に誘った。












 



アイビー「昨日ラトとなにかあったの?」

ララ「べつになにもないわ。」

アイビー「絶対うそ。今日二人がしゃべってるの一回もみてないよ。」

ララ「・・・・。」












 



ララ「ホントは喧嘩しちゃったのよ・・・。」

アイビー「やっぱり・・・・。」

ララ「心配かけてごめんね。」

アイビー「ラトにきついこと言われたの?」

ララ「ううん・・・・。悪いのは私なの。」












 



アイビー「私は早く二人に元通りになってほしい。」

ララ「そうよね・・・。」

アイビー「でもきっと、喧嘩の内容も二人の問題だと思うから、私はこれ以上なにも言わないでおくね。」

ララ「・・・・ありがとう。」












 



ララ「これからラトの家に行って謝ってくるわ。」

アイビー「ホント?よかった。」












 



ラトーシャの家にたどり着いたララ。
玄関のチャイムを鳴らすとドアが開いて母親のイブが出てきた。


ララ「こんにちはおばさま。」

イブ「あら、ララちゃんじゃない。ラトに用?」

ララ「はい。ラトいますか?」

イブ「いるわよ。ラト~!ララちゃんよ!」


イブが二階に向かってよびかけるとラトーシャが降りてきた。












 




ラトーシャ「なに?」

ララ「ラト・・・・・昨日はごめんなさい。」












 



ララ「私、よけいなこと言っちゃったわね。ラトが告白するかしないかなんて、私には口出しするようなことじゃないのに。」

ラトーシャ「・・・・。」

ララ「ごめんね。」

ラトーシャ「私も・・・・言い過ぎた。ごめん。」












 



ラトーシャ「あんたがジーン先輩のこと好きなのはずっと前から気になってたんだ。でもララはなにも言わないから黙ってた。」

ララ「そうだったんだ・・・?」

ラトーシャ「振られたって・・・ホント?」

ララ「えぇ・・・・。アイビーが大事だからって。でも私別にアイビーから奪おうなんて考えて告白したわけじゃないのよ?」

ラトーシャ「うん。わかってる。」












 



ララ「でも、やっぱりまだなかなか忘れられない。難しいわよね・・・・。」

ラトーシャ「そうだよね。」

ララ「でも私、これ以上ジーンさんをなんとかしようなんて思ってないわ。アイビーのことも、幸せになってほしいと思ってるし。」

ラトーシャ「うん。ララ・・・・つらかったね。」

ララ「・・・・うん。」












 



ラトーシャがララを抱きしめる。


ラトーシャ「誰にも言えなくて苦しんだでしょう?ごめんね。」

ララ「ううん。もう大丈夫。ありがとうラト。」

ラトーシャ「ララ、大好きだよ。」

ララ「私も大好きよ。」













 



翌日、ラトーシャはローガンの家を訪ねた。
玄関の前にやってくるとちょうどドアが開く。


リア「じゃあまたねローガン。」

ローガン「あぁ。またな。」

リア「!」











 





リア「あなたもローガンのSF?ローガン同じ学校には作らないって言ってたのに。」

ラトーシャ「は?」

リア「ふぅ~ん。」


リアがラトーシャの体をなめるように眺める。














 



リア「ふふっ。(リアのほうが断然かわいいわ。ローガン妥協しちゃったのかしら。) 」

ラトーシャ「 (なにこいつ・・・。) 」












 



リア「今日はもう使用済みよ。それでもよければどうぞ~。じゃあね♪」

ラトーシャ「・・・・。」












 



ローガン「よぉ。珍しいな。」

ラトーシャ「あんたに用があって。」












 



ローガン「なんだ?」

ラトーシャ「ちょっと。」

ローガン「上がれよ。」












 



ローガンの部屋に通された。


ラトーシャ「あんたんち、結構お金持ちなんだね。」

ローガン「そうでもねぇよ。部長だとこれくらいだろ?」

ラトーシャ「へぇ~・・・。」











 



ローガン「んで?話ってなに?」

ラトーシャ「単刀直入に聞くけど、ララのことどう思ってんの?」

ローガン「ずいぶん単刀直入だな。」

ラトーシャ「キスしたって聞いたよ。」

ローガン「それがなに?」












 




ラトーシャ「ララのこと好きなの?」

ローガン「まさか。」

ラトーシャ「じゃあからかっただけ?」

ローガン「そうだな。」

ラトーシャ「じゃあアイビーのことが好きなの?」

ローガン「は?なんでそうなるんだ?」

ラトーシャ「どっちが好きなの?」











 



ローガン「どっちも好きじゃねぇよ。」

ラトーシャ「・・・・?」

ローガン「女ってすぐ恋愛に結びつけたがるよな。」

ラトーシャ「・・・・。」

ローガン「ばかばかしい。好きじゃなくても誰でもキスはできるって証明しただけだよ。」

ラトーシャ「なにそれ・・・・。」












 



ローガン「俺ああいうのダメなんだ。恋してる自分に酔っちゃってさ。」

ラトーシャ「・・・・。」

ローガン「恋なんて結局自分の思い込みだろ。妄想激しすぎんだよ。」

ラトーシャ「だいたいわかった。」












 



ラトーシャ「興味ないならあたしの親友にこれ以上手出さないでね。じゃ。」

ローガン「ちょっと待てよ。」












 



ドアの前にローガンが立ちふさがる。


ローガン「もう帰るの?」

ラトーシャ「そこどいて。」

ローガン「別にお前でもいいぜ?」

ラトーシャ「は?」

ローガン「ヴァージン捨てたいならいつでも相手するよ?」












 



ラトーシャ「あたしに指一本触れたらタマ蹴りつぶすわよ。」

ローガン「ぷっ。勇ましいな。」

ラトーシャ「うち兄貴が3人もいるから。護身術はしっかり身につけてるんだからね。」












 



ローガン「おーこわw」


ローガンがドアから手を離す。












 



ラトーシャ「あんた・・・・目の奥が寂しそうだよ。」

ローガン「は?」

ラトーシャ「好きな人、できるといいね。」

ローガン「なに言ってんだ?」











 



ラトーシャ「お邪魔しました。また学校でね。」


ラトーシャが部屋を出て行く。












 



ローガン「寂しいのはお前らだろ・・・。」