ゲーム



 



すっかり日が暮れて夕食も済ませた7人は、一度街へ降りた。












 




レオン「これから肝試しを行う。まず二人一組になってここから出発する。」













 



レオン「墓地についたら一番奥の墓の前にりんごを置いてから戻ってくる。りんごには二人のイニシャルを彫っておくこと。」











 



レオン「別に時間を競うゲームではないから。最初の組が出発してから10分おきに出発してもらう。」














 




レオン「なにがあっても絶対パートナーを置いて逃げないこと。二人一緒に帰ってくること。」












 




レオン「俺はここで待機してるから。じゃあじゃんけんで組み分けな。」


レオン以外の6人でじゃんけんをして組み分けを決める。












 



アイビー「私はローガンとだね。」

ローガン「おう。」

レオン「じゃあアイビーとローガンは一番手な。」










 



ララ「私はジーンさんと・・・。」

レオン「二番手はララとジーンか。」











 



ディーン「じゃあ俺はラトか。」

ラト「そうだね。」

レオン「ラトとディーンが三番手に決定。」











 



ジーン「パートナー変わってもいい?」

レオン「いいわけねぇだろ。」

ジーン「え~。」











 




レオン「勝手に変わったら罰ゲームとして歩いて帰らせるからな。」

ジーン「マジかよw」











 



レオン「じゃあ一組目のアイビーたち出発して~。ここまっすぐ歩いて坂上れば墓地だから。迷うことはないから。」

アイビー「は~い。いってきま~す。」

ラト「いってらっしゃ~い。」

ローガン「いってきます。」









 



ジーンはアイビーたちの歩いていくほうをじっと見つめている。


ララ「 (ジーンさんんのこと、忘れなきゃと思っていたのに・・・・。) 」











 



ララ「 (でもちょっと嬉しい・・・・。) 」












 



アイビー「ねぇねぇ。ローガンって彼女いないよね。」

ローガン「うん。」

アイビー「どういう子がタイプなの?」

ローガン「タイプとかべつにない。」










 




アイビー「ふぅん。」

ローガン「お前はあの先輩みたいなのがタイプなのか?」

アイビー「私は髪が短い人が好き!」

ローガン「へぇ・・・。(髪型かよ。) 」










 




アイビー「ローガンもちょっと長いかな~。」

ローガン「童顔だからデコだしたくないんだよ。」

アイビー「あ~そうなのかw」











 



ララ「10分経ったわ。そろそろ出発しましょう。」

ジーン「あぁ、うん。」











 




ララとジーンがその場を離れる。
ジーンはどんどん歩いていく。


ララ「ジーンさんって進学は考えてるの?」

ジーン「あぁ。考えてるよ。」

ララ「この街の大学?あ、スタイリストになるために専門学校に行くんだっけ?」










 



ジーン「うん。」

ララ「市役所の隣に美容系の専門学校あったわね。そこに行くの?」

ジーン「いや。」

ララ「ちょっとジーンさん、歩くの早い・・・。」

ジーン「ここまでくれば大丈夫かな。」










 




ララ「え?」

ジーン「ごめん。アイビーと変わってくれない?」

ララ「だってレオンさんが変わっちゃダメって・・・。」

ジーン「頼む。」











 




ジーン「俺あんまり時間ないんだ。」

ララ「時間・・・・?」











 




ジーン「ここで待ってて。ローガンと変わってくるから。」

ララ「ちょっとジーンさん・・・。」

ジーン「ごめんな。」










 




ジーンが走っていく。


ララ「・・・・。」









 




ララ「 (こんなのただの遊びじゃない。それでも私じゃダメなの・・・・?)」










 




坂道を登りだしたアイビーたち。
ジーンがようやく追いついた。


ジーン「アイビー!」












 
 
 


アイビー「ジーン?どうしたの?」

ジーン「ごめん・・・。変わってくれる?」

ローガン「別にいいですよ。」

ジーン「サンキュ。」









 




ジーン「店の裏んとこでララちゃん待ってるから。迎えに行ってやって。」

ローガン「はい。」

ジーン「悪いな。」

ローガン「いえ。」









 




アイビーとジーンが並んで歩き出す。


アイビー「びっくりしたw」

ジーン「ごめんな。」

アイビー「でもどうして?ただのゲームだよ?」









 




ジーン「お前と夏の思い出作りたかったんだ。お昼も離れてたしな。」

アイビー「あは。ごめんね。」

ジーン「なんで一緒に食わなかったんだ?」

アイビー「なんか、恥ずかしくて・・・。」

ジーン「まぁいいけど。二人っきりになれたし。」

アイビー「そうだね。」











 




ローガン「 (なんであんなに焦ってんだ?ふたりきりなんていつでもなれるだろ。)」











 




ララがその場に立ち尽くしているとローガンが戻ってきた。


ローガン「よぉ。」

ララ「・・・・。」











 




ローガン「残念だったな。」

ララ「・・・・。」

ローガン「・・・俺で悪かったな。」










 





ララ「別になにも言ってないじゃない。」

ローガン「顔が言ってる。」

ララ「こんなゲーム、さっさと終わらせましょう。」

ローガン「同感だ。」










 




アイビーたちが墓地に到着した。


ジーン「意外に明るいんだな。」

アイビー「公園より明るいね。」

ジーン「そうだなw」












 




ジーン「怖くないか?」

アイビー「大丈夫。」

ジーン「大丈夫なのかよw」











 



アイビー「だってオバケがいたら会いたいって思うもん。出ないかな?」

ジーン「お前みたいなやつの前には現れないよ・・・。」

アイビー「え~。」










 





二人が墓地の一番奥までやってくる。


ジーン「ここか。」










 




アイビー「お墓4つ並んでるよ?どのお墓かな?」

ジーン「アイビー。」

アイビー「うん?」











 




ジーンが少しかがんでキスした。














 




少し遅れて墓地へと到着したローガンとララ。


ローガン「お前怖くないの?」

ララ「べつに。(ちょっと怖いけど一人じゃないもの。) 」

ローガン「かわいげがないな。」

ララ「なに期待してるの?」










 




ローガン「べつに期待してるわけじゃない。お前もうちょっと女っぽいとこないのか?」

ララ「あら。私十分女っぽいと思うけど。」

ローガン「中身が全然女っぽくない。」

ララ「うるさいわね。」