年上の人



 



学校が終わったララはジーンのいるお店の前にいた。
ジーンの店はこのモールの中に入っている。










 



しばらく待っているとジーンがやってきた。


ララ「ジーンさん♪」











 



ジーン「あれ?君、この前の・・・。」

ララ「アイビーの親友のララです。」

ジーン「どうしたの?」






 


ララ「この前はアイビーのことかわいくしてもらってありがとうございました。学校でも好評みたいです。」

ジーン「そうなんだ?よかったね。」

ララ「私も、お願いしたいな~って思って。」

ジーン「・・・・・。」












ララ「もちろんお金は払います。私ももっとかわいくしてくれませんか?」

ジーン「う~ん、ごめん。やめとく。」

ララ「え・・・?」









 



ジーン「君はそのままで十分だと思うよ?自分のことよくわかってるでしょ?もっと自信持っていいよ。」

ララ「・・・・。」

ジーン「じゃあ俺、仕事あるから。」

ララ「あの・・・・。」









 


ジーンは店内へ入っていった。
唖然としてその場に立ち尽くすララ。











 



ララ「 (あんなこと言われたのはじめて。なんか、全部見透かされてるみたい・・・。) 」












 


ディーンは学校帰りに公園へ寄った。
広くていろんなパフォーマーが練習していて、この場所はディーンのお気に入りだった。












 


ベンチに座っている女性を見てふと立ち止まる。
見慣れない女性。


ディーン「 (あの人なんで靴履いてないんだろう・・・?) 」










 



なんとなく気になってつい見ていた。
彼女はそんなディーンに全く気づく様子もなく、ぼーっと池を眺めている。












 



ディーン「こんにちは。」


隣に座ったディーンが声をかけるとびっくりしたようにディーンを見た。


ディーン「隣いいですか?・・・ってもう座っちゃってるけどw」

女性「えぇ・・・どうぞ。」









ディーン「俺たまにこの公園来るんですけど、お姉さん見かけない顔ですね。この街には永いんですか?」

女性「いいえ・・・・。引っ越してきたばっかりで・・・・。」

ディーン「やっぱりそうなのかぁ。この公園って集まる人がだいたい決まってるんですよね。」

女性「へぇ~・・・。」








 


ディーン「ところで、すごく気になっちゃったんですけど、お姉さんどうして靴履いてないんですか?」

女性「え・・・?あっ・・・・。」

ディーン「もしかして気づいてなかったとか?」

女性「いや・・・・・途中で気づいたんだけど・・・ここでぼーっとしてたら履いてないことを忘れてしまって・・・。」

ディーン「ははっ。よっぽど慌てて出てきちゃったとか?」

女性「・・・・。」






 



女性「やっぱり・・・・変よね・・・・。」

ディーン「変じゃないけど、ちょっと目立ちますね。」

女性「・・・・・・・。」










 


急に女性が立ち上がる。


ディーン「?」











 


女性「ごめんなさいっ!」

ディーン「え?ちょ・・・・。」


女性はそのまま走り去った。
ディーンはその場に立ち尽くして彼女の後姿を見つめていた。














ディーン「 (なんなんだあの人・・・・。) 」
















 



数日後、再びディーンは公園を訪れた。


ディーン「 (あ、あの人また来てる。) 」














 



この前と同じベンチに女性が座っている。
今度はちゃんと靴を履いていた。











 


ディーンが近づいても全く気づかない。


ディーン「こんにちは。また会いましたね。」

女性「あ・・・・。こんにちは。」











 



ディーン「今日はちゃんと靴履いてたんで安心しましたよw」

女性「ふふっ。この前はごめんなさい。」

ディーン「いえいえ。急に声かけたりして、俺もちょっとナンパっぽいですよねw」

女性「そんな風には思ってないわ。あなた、優しいのね。」

ディーン「そうですか?w」








 


ディーン「俺もここでよくパフォーマーの練習風景とか眺めるの好きなんですよ。通ってるとどんどんうまくなっていく人とかいて。面白いですよ。」

女性「へぇ~。」

ディーン「あ、俺の名前はディーンです。」

女性「私はジーナよ。」

ディーン「ジーナさんか。素敵な名前ですね。あ、なんかこれもちょっとナンパっぽいですよねw」

女性「ふふっ。あなた面白い子ね。」











ディーン「ジーナさんはおうち近いんですか?」

ジーナ「えぇ。ここのすぐ近くよ。」

ディーン「お仕事はされてないんですか?」

ジーナ「仕事は禁止されてるの。」

ディーン「禁止?」














ジーナ「夫に外で働いちゃだめだって。専業主婦よ。」

ディーン「結婚してるんですね~。お子さんは?」

ジーナ「子供はいないの・・・。」

ディーン「そうなんですか~。僕も部活してなくて暇なんですよw よかったらまたこの公園に遊びに来てください。って俺の公園じゃないですけどw」

ジーナ「うふふっ。あなたといると楽しいわ。また来てもいいかしら?」

ディーン「もちろんです。」












ディーン「あそこに座ってるおばあさんね、あの人は実はちょっと変わり者で、毎日ここに来て亡くなった犬の散歩をしてるんですよ。」

女性「え?そうなの?」

ディーン「うん。夕方頃になるといないと気づいてちゃんと帰っていくんですけどね。日課みたいに毎日来るんですよ。時々犬の名前呼んでますよ。」

女性「へぇ~。」


二人は日が沈むまでたわいないおしゃべりをして過ごした。