それぞれのリアル Day:2012.05.13 20:23 Cat:アイビー スターライトショア編 アイビーは学校帰りにジーンの店の前にやってきた。 アイビー「 (どうしよう・・・。学校じゃなかなか会えないからここに来ちゃったけど、ジーンさん居るかな?・・・待ってたら出てくるかなぁ? ) 」突然ドアが開いてジーンが出てきた。アイビー「!」ジーン「よぉ。」ジーン「窓の外にあんたの姿が見えたから、抜けてきた。」アイビー「ごめんなさい、お仕事中に。」ジーン「大丈夫だよ。俺もう帰るとこなんだ。」アイビー「この前のお礼、ちゃんと言いたくて・・・。」ジーン「そんなの別にいいのに。」アイビー「この前はありがとうございました。最初はちょっとびっくりしちゃって・・・変な人かと・・・。」ジーン「そんな風に思ってたの?w」アイビー「だっていきなり声かけられたのなんてはじめてで・・・。」ジーン「あはは。ナンパかと思った?」アイビー「ナンパっていうか・・・・新手の詐欺かと・・・・。」ジーン「ぶっ!w あんたやっぱ面白いなwww」アイビー「え?」ジーン「いいキャラしてるよ。」アイビー「キャラ・・・?」 ジーン「それより、腹減んねぇ?」アイビー「あ!ごめんなさい。もう帰る時間ですよね。」ジーン「どっか食べに行こうぜ。」アイビー「え?」ジーン「片付け済んだらすぐ出るから、ちょっと待っててくれる?」アイビー「・・・はい。」 二人は近くのレストランへやってきた。テラス席に座る。 アイビー「ジーンさん、学校来ないんですか?」ジーン「そのジーンさんってのやめてくれる?」アイビー「え?」ジーン「ジーンでいいよ。」アイビー「・・・・でも2年も先輩だし・・・。」 ジーン「そんなの気にすんな。名前、アイビーだっけ?」アイビー「はい。アイビー・スカイブルーです。」ジーン「俺もアイビーって呼ぶからあんたもジーンって呼んで。」アイビー「・・・・はい。」ジーン「あんた、学校で人気らしいじゃん。」 アイビー「そのあんた、っていうのも・・・やめてほしいです・・・。」ジーン「ははっ。わかった。じゃあアイビーも敬語ナシな。」アイビー「・・・・うん。」ジーン「モテモテらしいな。」アイビー「男の人って外見が一番なんだね。」 ジーン「そりゃそうだろ。人間ってのはまず見た目から入るからな。人それぞれタイプはあるけど、万人受けするタイプってもんもある。アイビーはまさにそれ。誰が見てもかわいいと思うよ。」アイビー「なんか、ちょっとショック・・・。」ジーン「男の嫌な部分みたから?」アイビー「・・・・ジーンもそう?」ジーン「そうだな~。」 ジーン「好きになるかどうかは別として。俺も最初は見た目で判断するかな。それから性格を知って好きになる。」アイビー「・・・・。」ジーン「俺、よけいなことした?」アイビー「え?」ジーン「俺がイメチェンさせたから周りの変化に動揺してるんだろ?」 アイビー「あ・・・。ジーンには感謝してるよ。ありがとう。でも周りの急激な変化についていけない自分がいて・・・。」ジーン「そうだな。まぁそのうち慣れるよ。みんなお前の内面的なもんにもそのうち気づくだろ。」アイビー「内面・・・・。」ジーン「人間大事なのは内面だからな。外見なんて変えようと思えばいくらでも変えられる。でも内面を変えるのは自分次第。」 アイビー「ジーンって・・・・大人だね。」ジーン「周りが大人ばっかりだからな。俺はもっと早く大人になりたい。」アイビー「どうして?」 ジーン「俺、プロのスタイリストになるのが夢なんだ。」アイビー「プロ?」ジーン「うん。こういう街で、一般の人を変えていくのも面白いけど、俺はプロになってショーとかに出るような仕事がしてみたい。」アイビー「素敵だね。」ジーン「だろ?」 ジーン「そのために今バイトして専門学校に行くための貯金してるんだ。」アイビー「えらいな・・・ジーンは。」ジーン「そんなことねぇよ。うちは母子家庭だし、二人三脚でやっていかないと。母さんにばっかり負担かけられねぇからな。」アイビー「そうなんだ・・・・。」 アイビー「子供の頃からスタイリストが夢だったの?」ジーン「うん。母さんは昔ショーパブでダンサーしてたんだ。小さかった俺は仕事場にもよく連れて行かれた。煌びやかな衣装に派手なメイクのダンサーたちを見てて、かっこいいなって思ったんだ。」アイビー「・・・・。」ジーン「それからかな~。スタイリストを目指すようになったのは。」アイビーにはジーンが眩しかった。夢を語る彼のブルーの目はとても美しくキラキラ輝いていた。アイビー「 (夢・・・・。私の夢はなんだろう・・・・。) 」 ディーンはジーナと公園にいた。二人はここでおしゃべりするのが日課になっていた。ディーンはジーナの不思議な魅力に惹かれはじめていた。ディーン「だんなさんはどんな仕事をしてるの?」ジーナ「・・・・これを言うと引かれるんだけど。」ディーン「悪い仕事?」ジーナ「・・・・マフィアの下っ端なのよ。」ディーン「・・・・そうなんだ。」 ジーナ「あなたとはじめてここで会った日、私靴を履いてなかったでしょう?」ディーン「・・・そうだったね。」ジーナ「彼はキレやすい人なのよ。仕事柄、緊張感で張り詰めているのかしらね。」ディーン「暴力、とか?」ジーナ「いいえ・・・。暴力は振るわない。・・・・・・・でも・・・。」ディーン「・・・?」ジーナ「機嫌が悪いとね・・・・私を抱くの。」ディーン「・・・・。」ジーナ「まるでレイプみたいよ・・・・。」ディーン「・・・・・。」ジーナ「ごめんなさい。高校生のあなたにこんな話・・・。」ディーン「離婚しないの?」 ジーナ「彼を愛してるの。でも・・・・・レイプみたいなセックスじゃ・・・・・愛されてる気がしなくて・・・・。」ディーン「・・・・・。」ジーナ「靴を履いてなかったのは口論になって家を飛び出してきたからよ。」ディーン「そうだったんだ・・・?」ジーナ「機嫌がいいときはとっても優しい人なの。」ディーン「・・・・・。」ジーナ「私は、彼に愛されているのかしら・・・・。ここにきて考えるのよ。」ディーン「・・・・。」ジーナ「あなたにはまだ難しいわよね。」ディーン「・・・・。」ジーナ「ディーンは初体験はまだでしょう?」ディーン「・・・・・うん。」ジーナ「好きな子はいるの?」ディーン「今は・・・いるよ。」ジーナ「そう・・・。」ジーナはそれ以上はなにも聞いてこなかった。二人は黙ったまま池を見つめていた。 URL Comment(0)Trackback(0)Edit