裏の顔



 


休み時間の学校。
アイビーは本に夢中だ。


ラトーシャ「ララ。」

ララ「え?」








 



ラトーシャ「今日目腫れてない?」

ララ「そう?」

ラトーシャ「ゆうべ泣いたでしょ?親と喧嘩でもした?」

ララ「してないわよ。ちょっと・・・映画を観て泣いちゃって・・・。そのまま寝てしまったからじゃないかしら。」







 



ラトーシャ「ふぅん・・・。( 現実主義のララが映画で泣くなんて・・・ちょっと怪しい。) 」










 



ディーンが教室に入ってきた。
その後ろにローガンもいる。


ディーン「ラト~。」

ラトーシャ「ディーン、どうしたの?」






 



ディーン「世界史の教科書貸して。」

ラトーシャ「また忘れたの~?」

ディーン「頼む!」

ラトーシャ「なんでアイビーに頼まないで私に頼むのよ。」

ディーン「アイビーは置き勉してないもん。ラトは持ってるだろ。」






 



ラト「ったくも~。しょうがないわね~。」

ディーン「やっぱ持ってた!サンキュー♪」

ラト「あ~なんか急にのど渇いてきちゃったな~。」

ディーン「わかったよ~。ジュースおごってやるよ。」






 



ララ「・・・・。」


静かにため息をつく。







 



ローガン「 (メイクでごまかしてるけど、目が腫れてるな。元気なさそうだし。あいつにフラれたか・・・。) 」












 



数日後、暗くなった校舎から出てきたララ。
そのあとにローガンが続く。


ローガン「おい。」

ララ「?」










 





ララ「ローガンじゃない。どうしたの?」

ローガン「学習クラブ一緒だろ。」

ララ「そうね。」











 




ローガン「先生に質問してたのか?職員室行くのが見えた。」

ララ「えぇ。この時間が一番聞きやすいの。ほかに誰もいないから。」

ローガン「もう暗いしあぶないぞ。帰り道一緒だから送るよ。」

ララ「ホント?ありがとう。助かるわ。」









 



二人は並んで歩き出した。


ララ「ローガンはなにしてたの?」

ローガン「図書館で調べ物。」

ララ「そう。遅くなって、ご両親は心配しない?」

ローガン「うちは大丈夫。お前んとこのほうが心配するんじゃないか?」

ララ「そうなの。ママが心配性でねw 公園を通ると近道なんだけど、通っちゃダメってきつくいわれてるのよ。」






 




ローガン「こないだ通ってたじゃん。」

ララ「え・・・?」

ローガン「火曜日のクラブの日。公園通ってたろ?」

ララ「もしかして・・・・・つけてたのあなただったの?」









 




ローガン「べつにつけてたわけじゃない。帰る道が一緒だっただけ。」

ララ「・・・・。」

ローガン「公園なんて入っていくから、あぶないと思って後ろから様子みてたんだ。」

ララ「それなら声かければいいのに!怖かったんだからっ。」

ローガン「あぁ。ごめん。でもあいつが来たから大丈夫だろ。」






 




ララ「あなたって、悪趣味な人ね・・・・。」

ローガン「フラれたみたいだな。」

ララ「え・・・?」

ローガン「翌日目腫れてたもんな。」

ララ「・・・・なんなの・・・・?」







 



ローガン「人のもん取ろうとするからだ。しかも親友だろ。」

ララ「なにを・・・・。」

ローガン「よく親友の彼氏なんかに手出そうとできるな。女ってやっぱすげーよ。」

ララ「そんなことしてないわよ!」

ローガン「ふぅん。じゃあどうしたかったわけ?告白しただけで気が済んだ?そんなわけねぇよな。」






 


バシッ


いきなりララの平手がとんだ。










 



ララ「・・・・っく・・・。」

ローガン「 ・・・・いてぇんだけど。(殴っといてなんでお前が泣いてんだよ・・・。) 」

ララ「あんたが失礼なこと言うからでしょ!一人で帰る!ついてこないでっ!」










 



ララが走って去っていく。
公園は入らず、大通りを通っていくようだ。












 




ローガン「 (ホントのことだろ。) 」












 




ローガン「 (女ってホントバカ・・・・。) 」





















 




ジーナの家。
寝室のベッドに横たわる二人。












 





ジーナ「あなた、すっごく上手になったわね。」

ディーン「ホント?嬉しいな。」

ジーナ「えぇ。とってもよかったわよ。」

ディーン「もう一回する?」

ジーナ「ふふっ。若いって素敵ね。」










 



二人の体が再び重なった。













 






















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こちらでも、ベッドに重なる二人の男女の姿。













 



リア「んっ・・・・・・。」











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ローガン「もうそろそろ帰んないとな。」

リア「え~。もう一回しないの?」

ローガン「いや、今日はもういい。」









 




リア「ちぇっ。あたしはまだまだ元気なんだけどな~。」

ローガン「また来週な。」

リア「じゃあ帰ろ~っと。」












 



リア「ローガンは同じ学校にSFいないの?」

ローガン「う~ん、同じ学校に作るとめんどうだろ。」

リア「ふぅ~ん。リアはいっぱいいるよ~。でも一番イケてるのはローガンだけどね。」

ローガン「そっか。」









 



ローガン「下まで送る。」

リア「あ~優しいんだw」

ローガン「それくらい当たり前だ。」










 




リア「うふふっ。じゃあバイバイのキス。」














 




二階の部屋を出た二人は階段を下りて玄関へ向かう。
ちょうどドアが開き、父親のシンが帰ってきた。


ローガン「父さん、おかえり。」











 
 


シン「あぁ。友達が来ていたのか。」

リア「こんばんは~。はじめまして~リアです。おじゃましてま~す。じゃあ、私は帰るとこなんで~。」











 
 


リア「おじゃましました~。」

ローガン「またな。」

リア「またね~ローガン。」










 
 




シン「ずいぶんあっさりした挨拶だな。」

ローガン「ごめん、父さん。あの子はいいところの娘さんじゃないみたいだ。」

シン「ローガン。」








 
 



シン「恋人ではなくたんなるガールフレンドか。」

ローガン「恋人はちゃんとした子を探すよ。」

シン「私も学生のころは散々遊んだからべつになにも言わん。だが、避妊だけはちゃんとしなさい。」









 
 



ローガン「ははっ。彼女とはそういう関係じゃ・・・。」

シン「隠さんでいい。私に嘘をつくな。」

ローガン「・・・・。」

シン「母さんが帰ってくるまでにさっさとシャワーを浴びて来い。」

ローガン「はい・・・。」








 
 

 

ローガンが階段を上がっていく。
それを見つめるシン。











 




シン「 (性格はユウナに似てほしかった。あいつは外見も中身も昔の私そのものだな・・・。このまま育ってくれるなローガン・・・・。) 」











 




ローガン「 (さすがに父さんにはバレたな。今は母さん一筋でも、父さんも昔は遊んでたのか。やっぱ親子だな。) 」












 




ローガン「 (まぁリアだけじゃないし。あいつが消えても変わりはほかにいる。) 」














 




ローガン「 (女なんて結局利用するのが一番なんだ。本気になるほうがバカだろ。) 」