今日もジーナの家を訪れているディーン。
ベッドから降り、制服に着替えた。













 



ディーン「ジーナさん・・・。」

ジーナ「なあに?」












 



ディーン「俺のこと、好き?」

ジーナ「もちろん好きよ。」

ディーン「愛してる?」

ジーナ「え?」










 



ジーナ「どうしたの?急に。」

ディーン「俺はジーナさんのこと愛してる。」

ジーナ「うふふっ。ありがとう。」

ディーン「ジーナさんは?」










 



ジーナ「好きだけど・・・・。」

ディーン「旦那さんと別れて、俺と一緒にならないか?」

ジーナ「え・・・?なに言って・・・。」

ディーン「俺は本気だ。あなたと・・・全部捨てて逃げる覚悟はできてる。」

ジーナ「ディーンくん・・・・。」










 




ディーンがジーナの体を抱きしめる。


ディーン「俺と一緒に逃げよう。」

ジーナ「ディーン・・・・。」

ディーン「二人なら、きっと大丈夫だよ。」

ジーナ「・・・・・。」








 



ディーン「頼むから、イエスって言って。」

ジーナ「・・・・・・・・。」

ディーン「ジーナ。」

ジーナ「・・・・・・・・ごめんなさい。」










 




ジーナ「私にはできないわ。」

ディーン「ジーナ・・・。」

ジーナ「ごめんなさいディーン。彼を愛してるの。」










 



ディーン「愛のないセックスなんでしょ・・・?」

ジーナ「そうよ・・・・。でも彼には私しかいない。私にも・・・・。」

ディーン「俺がいるじゃないか。」

ジーナ「だめなの。」










 




ジーナ「あなたはまだ若すぎるわ。きっとこれからたくさんのことが待っている。それなのに私みたいなおばさんと一緒じゃ・・・・人生台無しにしちゃう。」

ディーン「おばさんじゃない。」

ジーナ「いいえ。あなたが25歳になったら私はもう40。十分おばさんよ、。」


玄関が乱暴に閉まる音。






 




ジーナ「!」

ディーン「・・・・。」

ジーナ「あの人だわ。早く!窓から外に逃げて!」

ディーン「俺は逃げない。」

ジーナ「ディーン!」

男の声「ジーナ、そこにいるのか?」

ジーナ「あなた!ちょっと待って。」






 



寝室のドアが開いた。


ジーナ「あなた、おかえりなさい・・・。」

男「なにやってんだ?・・・・そいつは誰だ。」








 



ジーナ「こ、この子はね、親戚の子なの。」

男「親戚の子?」

ジーナ「そうなの。急にこの街に遊びに来ることになって・・・。」

男「じゃあなんでお前は下着姿なんだ?」

ジーナ「そ、それはコーヒーをこぼしちゃって、今着替えを・・・。」








 


男「は?着替えするのになんでこいつも一緒にいるんだよ。」

ジーナ「それは・・・。」

ディーン「もういいジーナ。」

男「はぁ?」










 



ディーン「ジーナと別れてください。」

ジーナ「ディーン!」

男「なに言ってんだてめぇ。」

ディーン「俺はジーナを愛してる。あんたよりずっと。」








 




男「まさかてめぇ、ジーナと寝たんじゃないだろうな。」

ジーナ「そ、そんなわけないじゃないの!」

ディーン「寝たよ。俺たちは何度も愛し合った。」

ジーナ「ディーンやめて!」








 





男「何度もだと?!ジーナ本当か?!」

ジーナ「違うわよ!そんなわけ・・・。」

ディーン「本当だ!あんたの愛のないセックスで彼女は傷ついてるんだ。」

男「はぁ?!」

ディーン「俺たちはここで何度も愛し合った。あんたは彼女のことを愛してない!」

ジーナ「ディーンもうやめて!」









 




男「てめぇ・・・ぶっころしてやる!!」


男がディーンにつかみかかった。


ジーナ「きゃー!あなたやめて!!ディーンが死んじゃうわ!!お願いよ!」











 




ボコボコにされるディーン。


男「命があっただけでもありがたいと思え!もう二度と現れるんじゃねえぞ!!次会ったら今度こそ殺すからな!」

ジーナ「ディーン!彼は本気よ!」

男「さっさとうせろ!」


ディーンは男に首根っこをつかまれそのまま外へ放り出された。












 



トボトボと公園の小道を歩いているディーン。


ラトーシャ「ディーン。」












 



ディーン「・・・ラト。・・・・よぉ。」

ラトーシャ「ディーン?あんた・・・・ちょっとこっち来て。」

ディーン「な、なんだよ。」


ラトーシャがディーンの腕を引っ張りライトの下に連れて行く。










 



ディーンの顔は腫れ上がってあざになっている。


ラトーシャ「あんた・・・・なにしたの?」

ディーン「なんでもねぇよ。ちょっと転んだだけ。」

ラトーシャ「どんな転び方したらそうなるのよ。」









 




ラトーシャ「誰にやられたのよ。」

ディーン「誰でもねぇよ。」

ラトーシャ「誰でもないわけないでしょ。危ないことするなって・・・・あんたまさか。」

ディーン「・・・・・。」










 




ラトーシャ「あの人の・・・・旦那さん?」

ディーン「・・・・。」

ラトーシャ「・・・・そうなの?」

ディーン「・・・・・。」









 




ディーン「関係ねぇだろ。」

ラトーシャ「・・・・・。」

ディーン「じゃあ、帰るわ。」

ラトーシャ「待ちなさいよ。」









 




ラトーシャ「その顔で帰るつもり?家族が心配するよ。」

ディーン「・・・・。」

ラトーシャ「・・・・ったく。ちょっとこっち。」


ラトーシャが再びディーンの手を引き、二人は公園を出た。










 



公園の近くのカフェ。


ラトーシャ「よし。これでなんとかごまかせたわね。」

ディーン「ありがと・・・。」

ラトーシャ「これはファンデーションであざを消してるだけだから。帰ったらちゃんと冷やして薬塗るのよ?」

ディーン「うん。」









 
 


ラトーシャ「ほんっと、あんたって昔から世話が焼けるんだから。」

ディーン「・・・・・ごめんなラト。」

ラトーシャ「べつにいいわよ。もう慣れっこだし。」

ディーン「・・・・・。」

ラトーシャ「大丈夫?」

ディーン「うん・・・・。」








 
 



ディーン「俺さ・・・・。」

ラトーシャ「うん?」

ディーン「本気だったんだ。」

ラトーシャ「・・・・・。」

ディーン「でも・・・・やっぱり大人からみたら俺たちはまだ子供なのかな。」

ラトーシャ「・・・・・。」

ディーン「殴られた傷より・・・・・胸がいてぇよ・・・・。」

 







 




ディーン「アイビーにも言うなよ。」

ラトーシャ「誰にも言ってないから大丈夫だよ。」

ディーン「そっか。サンキュ。」










 



次の日も。
そしてその次の日も。
ディーンは公園のあのベンチに座って待ち続けた。












 



しかしジーナがやってくることはなかった。
そして1週間が経った。










 




ディーン「 (ジーナ・・・・・まさかあの旦那に監禁とかされてるんじゃ・・・・。) 」